日記 年賀状
あれは…2年以上前かな…。
とあるかたと知り合いになり…というか実際にお会いしたのは、その時の一度だけなんだけれども、ちょっとした心遣いを受けたものだから、御礼の品を送ったり、ちょっとした報告のお手紙を頂いたり、そんな交流をしていたら、年賀状が届くようになったのでございました。
私は年賀状は億劫だから、極力出さないように仕向けるのですけれども…笑
とは言え、来たからには出さないわけにもゆきません。
だから今年も、そのかたに年賀状を差し出すのですけれども…。
このかたはそれなりのご高齢で、それなりに体の不自由が利かなくなってきておられるようで、いつの日か、そのかたからの年賀状が突然にして途絶えるのだろうと、覚悟をしているのでございました。
年賀状以外の手紙のやりとりが途絶えても、そのかたから年賀状が来なくなる日まで、私は出し続けようと決心を致したのでございました。
それは私が小学一年生の時、担任教師に年賀状を出してみたら、数日後に万年筆で書かれた年賀状が届いたのでございました。
それから私は進級を重ね、その担任が外れ、先生は転勤をされ、もう顔を合わすこともなくなったけれど、年賀状のみのやり取りが続いていったのでございました。
そして小学高学年頃だったでしょうか…。
私はふと、
もう年賀状を出すのはやめよう。もう会うこともないし、もしかしたら先生も迷惑がっているかもしれないし、いつまでも年賀状を出し続けるのは変な子供に見られていたかもしれないし…。
などと子供なりに考え、突然にして姿を消すように、ある年パタリと年賀状を出すのをやめたのでございました。
私が年賀状を出さなくなったら、先生からの年賀状もパタリと来なくなりました。
私は今でもその時の心境を思い出して、
あの時あのまま年賀状を出し続けていたら、一体どうなっていたんだろう…
と、悔やんでみたりするのでございました。
だから私は、この一度しかお会いしていないかたに、ずうっと年賀状を出し続けようと決心をしてみたのでございました。
なんとも不思議な縁でございます。
道ですれ違っても、互いにきっと気づかないんではないでしょうか。
本当、不思議なご縁でございます。