豊中市ブログ「マチカネくんのとよなか草子」マチカネくんと魅力文化創造課職員が、豊中のさまざまな魅力を紹介していきます!

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夏休み!マチカネくんの里帰り☆   

2012年08月20日 | マチカネくんがリポート!

こんにちワニこのごろ、市内のあちこちで、子どもたちをよく見かけますが、ちょうど今は夏休み真っ只中なんですね浮き輪や虫取り網を手に、歩いている姿がとっても楽しそうでうらやましいワニ

さて今日は、夏休み特別版ということで、ぼくのふるさと「待兼山」についてお話します

ご存じのとおり、ぼくのモデルのマチカネワニは、この豊中キャンパスから発見されたんだ見つかった場所の地名(待兼山町)からこの名前が付けられました体長7メートルほどで、約45万年前に生息していたんだ

だから、ぼくは豊中市に最も古くから住んでいる市民なんだ

その待兼山は、大阪大学豊中キャンパス内(豊中市待兼山町)にある標高約77mで、豊かな自然が残る里山ですご存知でしたか??

待兼山について、「和歌」、「遺跡」、「自然」のキーワードでご紹介するワニ

 

まず和歌

待兼山は、「まちかねる」という言葉の妙から、中世の歌人に愛されました恋人や家族をまちわびる思いをつづった和歌の枕詞として、多くの歌に使われています今回は、そのうちのいくつかを紹介するワニ

 

夜をかさね待ちかね山の郭公 雲居のよそに一声ぞ聞く(周防内侍・新古今和歌集)

こぬ人をまちかね山のよぶこ鳥 おなじこころにあはれとぞきく(大皇太后宮肥後・詞花集)

津の国のまちかね山の呼子鳥なけど今くと云ふ人もなし(人まろ・古今和歌六帖)

夜もすがら待兼山に啼く鹿は朧気にやは声を立つらん(源俊頼・新古今和歌集)

 

う~ん…特に2つ目と3つ目の和歌は、共感できるワニぼくも独り身で寂しいので、来ぬ人(ワニ)をまちかねているワニ…いけない、つい本音が…

そして、下の絵は、江戸時代の図版:『摂津名所図会』に出てくる待兼山ですこちらは、五畿内の名所図会の1つとして、寛政8年(1796)から10年(1798)にかけて刊行されたんだってこの図版の著者は、平安時代の待兼山をこんな風に想像して描いたのかな~

 

忘れてはいけないのが、あの有名な清少納言の「枕草子」にも待兼山の名前が出てくることだワニ平安時代の古くから人々の暮らしに溶け込んでいたなんて、なんだか歴史を感じるワニ~

ここで、ちょっとした小話このブログのタイトル「マチカネくんのとよなか草子」の“草子”は、枕草子に待兼山が登場することにちなんで、つけられたんだ清少納言みたいにすらすらと素敵な文章がかけるようになりたいワニ

この他にもたくさん待兼山に関する歌があるので、気になる人は図書館(HP http://www.lib.toyonaka.osaka.jp/)などで調べてみて下さいね~

 

さて、次に遺跡

せっかくなので、博物館3Fの「待兼山に学ぶ」を見学させていただきましたこちらでは、地形の変遷から、現在棲息する生き物の営みまで、その変化を解明する研究が紹介されています。今日は、特別に中を撮影させていただきました

キャンパス内には待兼山遺跡があって、28地点で弥生時代から江戸時代の遺構や遺物などが発見されているんだって

遺跡マップを発見たくさん出土されているワニ

 

こちらは、待兼山5号墳や1号墳の発掘状況の紹介パネルと、復元土器だワニ

5世紀後半につくられた待兼山5号墳からは、貴重な馬形埴輪(はにわ)や人物埴輪などが発見されています

他にも古墳は見つかっていますが、消滅して跡(あと)しか残っていない古墳も多いワニでも、たくさんの埴輪(はにわ)や出土品が見つかったことによって、古墳が存在していたことが分かっているんですよ

 

そして、自然

待兼山は今でも里山の自然が残されており、様々な植物や昆虫たちの貴重な生息の場となっています

待兼山に生息する植物のパネルと実物展示

待兼山でしか生息が確認されていない新種のハナアブも発見されているワニ

今の季節の植物なら、クズやツルマメ、ミツバが見られるんだあと、博物館横のミュージアムカフェ 「坂」の前に大きなモッコクの木木を見ながらオープンテラスでティータイムはいかがワニ??

展示室の中には、もちろん、ぼくのモデル・大きなマチカネワニの化石もありますよ (マチカネワニの化石については、こちらの記事でもご紹介していますhttp://blog.goo.ne.jp/machikane75/e/5bbc2f6fafef589a7d43a9afcc8858b5)

 

いつみても大迫力「うわ~このワニめっちゃ大きいなぁ!」と小学生や高校生の興奮する声も聞こえました右の写真は、見たいところをクリックすると、マチカネワニの骨格の情報が知れるもの実は尻尾や下顎、足の一部分が発見されていないこともこれを見れば一目瞭然

そして、

ここに来ると外せないツーショット

 

さあ、待兼山についてお勉強できたし、最後に待兼山の植物を紹介したパンフレット(下図)を片手に散策してみるワニ

 (このパンフは、博物館内に置いてあります。)

まず、博物館を出て、来た道を少し戻って、「大阪大学総合学術博物館」の前

そして、その右側の道に入ると…

 

小道があります山に沿って散策路が整備されていて、サイドには草木が生い茂っているワニ上の写真でも分かるように、結構な上り坂頑張って登るぞ~   

                       

登りきると、平坦な道がここから先へ登ると山頂なんだけど、散策路以外は立ち入り禁止なので、残念ながらここまで

でも、ず~っと昔、ここに来たことがあるような…??何だか懐かしい気がするワニちなみに山の中にいるせいか、少しだけ涼しく感じます

普段は、散策路以外は立ち入れないけど、大阪大学21世紀懐徳堂が春と秋に植物の観察会の催しをしているワニ今秋の分はまだ分からないけど、気になる人はホームページをご覧くださいワニ

このブログを通して、みなさんが待兼山に興味をもってくれたらうれしいワニ  

待兼山の関係ホームページのご紹介

大阪大学総合学術博物館:http://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/index.html

・待兼山についてはこちら http://www.museum.osaka-u.ac.jp/jp/machikaneyama.html

大阪大学21世紀懐徳堂:http://21c-kaitokudo.osaka-u.ac.jp/ 

 

本のご紹介

福井希一・栗原佐智子(2009)『キャンパスに咲く花 阪大豊中編』大阪大学出版会

こちらの本には、大阪大学豊中キャンパスに咲く四季折々のお花や植物がたくさん載っています 。待兼山のことがもっと分かるワニ