ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその343-エレキ革命

2019年06月16日 | 洋楽ポップス
エレキギターは、1930年代「リッケンバッカー」社が、ハワイアンバンドへの売込み目論見、製作されたといわれている。
その後「ギブソン」社によって改良が重ねられて、アコースティックエレキギターの登場となる。
当初、エレキギターは主にジャズミュージシャンに重宝がられ、チャーリークリスチャン等の名ギタリストを生むこととなる。
既に100年近い歴史を持つ、20世紀の楽器界のエポックとなったエレキギター。この今では当たり前の楽器を自身で意識したのは、皆様、何時のことか覚えていらっしゃるだろうか。
世界的に見れば、1950年代「エルヴィス・プレスリー」の登場とともに黎明の時が来て、ビートルズの登場により、爆発的な音楽界の存在なったと私は理解している。
私がエレキギターを買ったのは、16歳のころ。その出会いは強烈であった。
私の年代はビートルズをリアルタイムでは経験しておらず、後追い組の年代である。音楽界のエポックでリアルタイムで経験しているのは「パンクロック」の時代である。

私をエレキギターに目覚めさせてくれたのはビートルズでもなく、セックスピストルズでもなく「ヴェンチャーズ」なのである。
ビートルズもろくに知らず、青春時代にはパンクロック。このような状態で、何故自身のエレキギターへの目覚めが「ヴェンチャーズ」なのであろうか。理由はひとつ。
「エレキギターの音があまりにかっこよかった」からである。
特にパイプラインと言う曲の冒頭、6弦のミュートグリッサンドの音が強烈だった。(俗に言う「テケテケ」サウンドである。)
エレキギターを手に入れた私は、毎日ヴェンチャーズの曲をコピーして、悦に入っていた。
今でも「パイプライン」の冒頭部分を何かのきっかけで聴くことがあると、体が熱くなる思いである。

私たちの年代で、影響を受けたギタリストといえば「ジミーヘンドリックス」や、ヤードバーズが生んだ「3大ギタリスト」と答える人が多いと思う。
しかし、真のエレキギターの革命者はヴェンチャーズではないだろうか。彼らに影響を受けたプロのミュージシャンは枚挙にいとまがないと思う。

下にエド山口のミニライヴの模様を貼った。
自身もヴェンチャーズマニアの宣言している彼の演奏も素晴らしい。御年70歳である。
是非この動画を見て、ヴェンチャーズの偉大さを再確認していただきたい。

エド山口&東京ベンチャーズ モズライトカフェ





明日のためにその262-北欧のポップセンス

2017年06月08日 | 洋楽ポップス
私は以前、台湾の女性歌手「ステラ・フォアン」が好きで、CDを購入しよく聴いていた。
そのもそも彼女を知ったのは、ある番組で「等」と言う曲を聴いたからだ。
この「等」と言う曲が非常に気に入り、CDを輸入してヘビーローテーションできいていた。
非常に軽やかな、ポップセンスに優れた曲で、台湾のミュージックシーンに良い歌手が出現したと思ったものだ。
しかし、先日インターネットラジオを聴いていた時(どこの局かは失念したが)、この「等」と全く同じ楽曲が、英語で流れてきた。アレンジも曲も殆ど同じ楽曲だった。
私ははじめてこのとき「等」がステラ・フォアンのオリジナルではないことを知った。
そうなるとオリジナル曲は何で、誰が歌っているのかをとても知りたくなった。
ここで検索エンジンの登場である。グーグルを使い、その時聴いたオリジナル曲の印象深い、リフレンを
検索ワードにしてみた。
果たしてオリジナル曲は瞬時にして判明した。
スエーデン出身の女性歌手「メイヤ」が歌う「オール・バウト・ザ・マネー」だった。検索エンジンとは便利な物である。
スエーデン出身といえば、1970年代に大人気だった「アバ」が思い出される。男女四人組のグループで、代表曲は「ダンシング・クイーン」これは今ではポップスのスタンダードになっている。
ここで、はたと思った。やはり北欧のポピュラー音楽は、ワールドミュージックに属する。
私はワールドミュージックしか現在聴いていないが、北欧は全く接してはいなかった、
国は違うが、アイルランドの女性歌手「エンヤ」が登場した時点で、北欧のポピュラー音楽に関心を持つべきだった。
今後は北欧の音楽にも、食指が動いたところなので、注意深く様子を見て行きたい。
下にメイヤのオール・バウト・ザ・マネーとステラ・フォアンの等を貼った。
全く同じ曲であるが、やはり歌手によって曲の印象は違ってくる。
皆様はどちらがお好みであろうか。




明日のためにその258-早熟なる天才バンド。

2017年03月07日 | 洋楽ポップス
1970年代。混沌たるロック界は、玉石混合。様々な音楽が出現した。
その中に彗星のように現れたバンド、それが「FREE(フリー)」だった。
最近、古いヴィデオテープを整理していたところ、彼らのライヴを録画したテープが出てきた。
何年ぶりであろう、長い間見ることがなかった、フリーのライヴを見てみた。
やはり凄い、圧巻である。
ここでフリーについて、紹介しておこう。

バンドを結成したときは、まだメンバー全員が18歳ぐらいであり、メジャーデビューをしたときも、メンバーの平均年齢は20歳ほどだった。
1969年バンドデビュー。年齢にそぐわぬしっかりした演奏と、ブルースを基本にした素晴らしい楽曲センスでセンセーショナルをおこす。
メンバーは。
ヴォーカル:ポール・ロジャース
ギター:ポール・コゾフ
ベース:アンディ・フレイザー
ドラム:サイモン・カーク
1969年デビュー、1970年解散。

大まかにフリーについて紹介したが、この内ポール・コゾフとアンディ・フレイザーは故人となっている。
さて、話題をフリーのライヴに戻そう。
「ミスター・ビック」から始まるライヴ映像は、様々なライヴの映像の寄せ集めである。
一つのライヴ会場で演奏したものを記録していないので、ちょっと残念だ。
しかし、どのライヴを見てもその演奏力には感心させられる。
フリーはヴォーカルが単独であるので、演奏者としては三人、俗に言う「スリーピース」となる。
ここでベースのアンディ・フレイザーが光る。
実にしっかりしたベース演奏で、アンサンブルをまとめ上げている。映像に写る彼は、当時まだ18歳である。恐るべき天才ベーシストだ。
ギターはビブラートの鬼、泣きのフレーズが痺れるポール・コゾフ。常にギターのフレットを握る左手が、絶妙に震えている。
とにかくこのバンドは、ベースがしっかりしているので、ドラムのベースドラムさえしっかりベースラインを踏んでゆけば、他の楽器は何をしていても良い。
アンサンブルの基本は、ベースとベースドラムである。
約一時間程度の、フリーのライヴ番組を見終えた後、やっぱりバンドはこうあるべきだと確信した。
多分、今の若い人達からは「何それ」と言われてしまうと思うが、やはりバンドはフリーのようにあるべきだと、再度言っておこう。
下にフリーの名曲「ファイアーアンドウオーター」のライヴ映像を貼った。
前述した「泣きのギター」ポール・コゾフの左手と、ロックを歌う為に声を得たようなヴォーカル「ポール・ロジャース」のまさに「これぞロックのヴォーカル」たる歌声に注目していただきたい。
なお、この映像の時は、最年長20歳、最年少18歳である。
是非、早熟だった天才バンドの演奏をお楽しみいただきたい。
追記:この映像は、公開者の都合により、このブログでは見られません。
お手数ですが、再生ボタンを押したとき表示されるリンクから見てください。


明日のためにその211-第58回グラミー賞

2016年02月17日 | 洋楽ポップス
世界的音楽の潮流が垣間見える祭典。

グラミー賞。
今も音楽の世界を牽引する、アメリカの誇る音楽の祭典だ。
この賞を受けることで、世界的にアーティストは名声を得る。
過去、多数のアーティストを排出し、そのまま現在も活躍する者、没落してしまった者、振り返れば枚挙にいとまはない。
昨日「第58回グラミー賞」の授賞式があった。
私自身は「ワールドミュージック」しか現在は聴いていないので、あまり興味はなかったが、毎年アメリカ音楽の変化を見たいがために、授賞式を見ている。
今回は、例年より受賞部門数を減らし、トリュビュートやパフォーマンスに時間を割いた。
中でも、レディ・ガガとナイル・ロジャースによる「デヴット・ボウイ」のトリュビュートは、特に興味をそそられ、食い入る様に見てしまった。
ステージ内容は中々。とても満足する出来で、大いに楽しめた。
過去に、多くの賞を受賞した「アデル」もソロで歌唱を披露した。
ただ音響設備に問題があったようで、音程を若干はずしたり、歌唱もいまひとつ雄大さに欠け、残念なステージとなってしまった。
今回のパフォーマンスで注目の一つだった「アリス・クーパー」率いる「ハリウッド・ヴァンパイアズ」のステージも見た。
メンバーはヴォーカル「アリス・クーパー」リードギター「ジョー・ペリー」サイドギター「ジョニー・ディップ」
そう、サイドギターはあのハリウッドスター「ジョニー・ディップ」が担当したのだ。
彼らは古い知り合いらしく、アリス・クーパーの経営するクラブに通いつめていたジョニー・ディップにバンド結成の声をかけたらしい。
彼らは「モーターヘッド」メンバーで、昨年急逝した「レミー・キルミスター」のトリュビュートを行なった。
注目はやはり、ジョニー・ディップのギター演奏だ。彼はテレキャスターに似たエレキギター(恥ずかしながらギターのブランド等は分からなかった)を下げ、僅か数フレーズだが、リードを弾いた。
彼の演奏能力を測れる程の時間は無かったので、演奏に対する評価は控えたい。

そして、授賞式もクライマックス。2015年度の「最優秀アルバム」と「最優秀シングル」の発表を残すのみとなった。
緊張の一瞬。
最優秀アルバムは「テイラー・スィフト」の「1989」が選ばれ、彼女自身二度目の受賞を果たした。リードメンバーとしては女性初の快挙ということだ。
一方の最優秀シングルは「マーク・ロンソン、フューチャーズ、ブルーノ・マーズ」の「アップタウン・ファンク」が受賞した。
私はこの曲を知らなかったが、今の時代には珍しい、ファンクビートの利いた曲で好感が持てた。
アメリカでは、今でも「ラップ系」がメインストリームだと思っていたが、さすが層が厚い、古くからの「ファンク」の系譜がいまだに存在し、グラミーを受賞してしまうのだから。
何を言おうが、現在も世界の音楽傾向はアメリカがその舵を握っている。
しかし、様々な人種が集まり、音楽を制作している国の状況を侮ることはできない。
今回の「グラミー賞」もそのこと私に教えてくれた。
「ワールドミュージック」に熱中するあまり、欧米の音楽に疎くなっていた私だが、今後は欧米の音楽にも少しだけ食指を伸ばすことにしよう。
下に今回の「最優秀シングル」の楽曲を貼った。
とてもグルーヴの効いた、ファンクビートを堪能していただきたい。

Mark Ronson Uptown Funk ft. Bruno Mars

明日のためにその145-映画音楽の良かった時代

2015年07月19日 | 洋楽ポップス
美しかった映画音楽。

1970年代欧米の音楽はまさにカオスの渦中にあった。
ロックではイニシアチブを取るようなメインストリームは無く群雄割拠していた。
一方ポピュラー音楽の世界では「カーペンターズ」に代表されるような「美しい旋律」を持った音楽がメインストリームとなっていた。
今はどうであろう、なにかにつけて「ラップ」だの、ただ他人の曲を盗用して作られた「トラック」だの昔の良さは見る影もない。
私が1990年代以降、欧米の音楽に見切りをつけてアジア音楽への食指が動くようになったのは、このようなことが原因の一つでもある。
昔は「名画に名曲あり」であった、古くは先日ブログでも紹介した「第三の男」
アントン・カラス操るヨーロッパ独特の楽器「チター」が奏でる印象的で見事なメロディ。
まさに「名画に名曲」ありだ。
「真昼の決闘」でデックス・リッターが歌う名曲「ハイ・ヌーン」
枚挙にいとまがない。
1970年代と言えばアメリカでは「アメリカン・ニューシネマ」が映画界のメインストリームだった。
また「パニック映画」も沢山製作された。
そこにも名曲が沢山使用されている。
私はそれらの曲を聴くたびに思う。
「アメリカ音楽の良心ここにあり」
下の音楽がその象徴である。

The Morning After by Maureen McGovern

明日のためにその119-トレーシー・ウルマン

2013年11月20日 | 洋楽ポップス
80年代の隠れた名歌手。

その昔「昭和歌謡」華やかなりしころ俳優がヒット曲を量産した時代があった。
またその逆で歌手が俳優業もこなし見事な名演を見せていた。
今ではこのような傾向は見られなくなってしまった。
懐かしきかな「昭和」である。
今回紹介するCDは「トレーシー・ウルマン」の「夢見るトレーシー」
80年代の隠れた名盤である。
全11曲からなるこのアルバムの中でも白眉といえるのがアルバムタイトルにもなっている「夢見るトレーシー」であろう。
美しい旋律に隙のないアレンジ完成度の高さでは群を抜いている。
その次は1曲目の「ブレイク・ア・ウエイ」か。
このトレーシ・ウルマン、元々は自身の持つトークショウのホストを努めて有名になったイギリス出身の女性である。
それ以前にも映画や舞台に出演し俳優としても成功している。
このアルバムは音楽としては完璧な出来である。
その完成度の高さでは評価を十分与えられる作品であろう。
各楽曲とも音に隙が無い、完璧な作りである。
彼女の歌唱も流麗にして巧み、申し分がない。
以前のブログ記事でも取り上げたがCDで再販されているものは「ボーナストラック」が入っている(ボーナストラックの無意味さは以前のブログ「明日のためにその49」を参照願いたい。)
もし入手できたならボーナストラックは聴かずにおいたほうが良いだろう。
やはり折角の完成度の高いアルバムがボーナストラックのために台無しになる。
11曲目が終ったらアンプのヴォリュームは絞っていただきたい。
それほどこのアルバムはアルバムとしての完成度も高い。
現在このCDは廃盤になっているようだが、もし入手できるようであれば是非入手され聴いていただきたい一枚である。


明日のためにその72-マヌフォード・アンド・サンズ

2013年04月24日 | 洋楽ポップス
力強いソウルフルな音楽。

私は最近の音楽をあまり聴いていない方である。
何を聴いても似たような楽曲ばかりで聴く気にならないのである。
テクノ調、ラップ調どれも同じ音楽に聴こえてくる。
今回紹介するのは「マムフォード・アンド・サンズ」
イギリス出身のバンドである。
編成は4人のバンドであるがマンドリン、アコーディオン、バンジョーなどと一風変わった楽器を使用している。
楽曲もいたってシンプル、ストレートでソウルフルなものばかりである。
セカンドアルバムの「バベル」は今年のグラミー賞の最優秀アルバム賞を受賞している。
どの曲も前述したとおりストレートでソウルフルな楽曲ばかりである。
昔同じイギリス出身のバンドで「ザ・ポーグス」というバンドがいた。
彼らも民族楽器を取り入れたストレートな楽曲を多く残している。
ある意味今の世界のポピュラー音楽は彼らの様なところへ帰るべきではないかと私は思う。
テクノロジーやただの流行から生まれた楽曲は人間の感性から生まれた楽曲にかなうわけはないと思うからである。

明日のためにその11-ステファン・ベネット

2012年02月01日 | 洋楽ポップス
超絶的ギターテクニック

STEPHEN BENNETT(ステファンベネット)
6弦のギターに6本の固定絃のハープの付いたアコステックギターを操るギターの魔術師である。
知名度は高いとは言えない彼だがその卓越したギターテクニックは観るもの・聴くものを驚嘆させるだろう。
私はあるきっかけで彼の存在を知った。
そしてユーチューブで彼の演奏を観て息を呑んだ、まさに驚きのテクニックである。
その彼がビートルズの曲をカバーしたCDを出している。
アレンジ、演奏ともまったくもって満足、アコステックギターが好きな人なら是非所有すべきCDだろう。
特にビートルズの初期の楽曲が良い、後期の楽曲も良いが初期の楽曲の方が演奏にスピード感があり私は好きである。
ウエス・モンゴメリー以来の衝撃的なギタリストとの出会いである。