荒唐無稽な大駄作。
世の中、様々な映画が存在する。
しかし、映画の世界だけではないが、結果的に問われるのは、それが「傑作」か「駄作」かである。
「普通」と言う選択肢もあるが、果たして何をもって普通と言えるかは個人それぞれである。
だが、傑作と駄作だけは、映画そのものの作り等で、映画自身がそれを語ってくれるので面白い。
今回紹介する映画は「亀は意外と速く泳ぐ」
キャッチコピーとしては「脱力系スパイ映画」とあった。
ストーリーを紹介しておこう。
夫が海外単身赴任中の主婦、すずめはある日「スパイ募集」の小さな張り紙を見つける。
興味を持った彼女は、早速そこに書いてあった電話番号に連絡し、スパイの一味として活動することになる。
しかし、いくら待っても、スパイに関する指令は無く、毎日を淡々と過ごしていたのだが........
「駄作」である。
全く監督のイメージが空回りして、観客に訴えるものが何ひとつない。
ネットで監督を調べて驚いた、以前このブログで紹介した「音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!!」と同じ監督ではないか。
あの作品も、誉める所を探すのにかなり苦心した作品だったが、この作品は更に酷い。
90分と言う短い時間の映画にも拘わらず、かなり観ている方としては苦痛を感じた。
何が言いたいのか、何を表現したいのか、全く分からないのだ。
この映画は、以前キネ旬の邦画ベストテンの中に選出されていた作品と憶えていたが、キネ旬のホームページを見たところ、製作年にこの映画がキネ旬のベストテンには選ばれておらず、私の勘違いであった。
では何故この映画のタイトルを憶えていたのだろうか、私自身未だに謎である。
「脱力系」とか「ポップな彩色」とか、この映画を形容している言葉はあるが、それには全く無理がある。
一体日本映画は何処に向かうのだろうか、心配は募るばかり。
収穫の全くない本作、私は観る必要は無いと思う。
2005年、日本製作、カラー、90分、監督:三木聡