ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその307-MUST BE UKTV

2018年02月28日 | パンク&ニューウエイヴ
パンク・ニューウエイブの貴重な映像。

1980年代初頭、イギリスを中心とした、新しい音楽が登場した。
そう、パンク・ニューウエイブである。
ことの始まりは、1976年に「セックスピストルズ」が産声をあげ、それが突破口となり、イギリスから新しい音楽が流れ始めた。
当時若かりし私は、この音楽の潮流に見事流された。夢中になり、レコードの輸入盤にも食指を伸ばした。
そんな新しい音楽も、1980年代半ばを過ぎると、徐々に良いアーティストがデビューしなくなり、つまらなくなってしまった。
実質1980年から1985年あたりまでが、パンク・ニューウエイブの隆盛期と思われる。
しかし、その実態をつまびらかにするようなソフトは、極めて少ない。
音源としては、或る程度リイシューされているが、映像の分野においては、ほぼ皆無である。
しかし、最近朗報があった。NHKのBSプレミアムで、1980年代のパンク・ニューウエイブのステージ映像が見られることになったのだ。
「MUST BE UKTV」これが番組のタイトルだ。
放送時間は深夜三時から四時まで。内容は昔イギリスで放映されていた「THE TUBE」と言う番組を放送している。
私は今年の一月下旬だったか、あることからこの番組を知った。
私が見た最初の放送では、ザ・スミス、アズテックカメラ等の演奏が楽しめた。
ザ・スミスは有名なので、映像を目にする機会もあると思うが、アズテックカメラはマイナーなので、見られたのは幸運だった。
この番組は、今でも続いている。私の食指が動くアーティストも大勢登場している。
パンク・ニューウエイブに熱狂した年代の方には、是非見て頂きたい番組である。
放送の詳しい内容はNHKのホームページで紹介しているので、是非参考にしていただきたい。

明日のためにその306-夜空はいつでも最高密度の青色だ

2018年02月26日 | 邦画
これが2017年キネ旬邦画ベスト1

キネマ旬報社が、毎年2月に発表する「キネ旬ベストテン」。アカデミー賞より古く、1924年から開始された。この歴史あるコンペティションは、映画を観る人にとっての「基準」となっている。
誰もが納得できる映画を観たい。
しかし、その指南が無いとなかなか映画を観る機会が無い。
私は、カンヌ国際映画祭を映画を観る一つの基準としている。
このブログをご覧の皆様も、映画を観る基準として、映画会社が展開するパブリシティ以外に、様々な映画賞等基準に観ておられる方も多いだろう。
今回紹介する映画は「夜空はいつでも最高密度の青色だ」2017年キネ旬ベストテンの第一位に輝いた作品である。
ストーリーを紹介しておこう。

しんじは若い日雇い労働者、美香は昼にナース、夜はガールズバーでコンパニオンとして働いている。
ある日しんじは、仕事仲間とガールズバーへ行く。そこは偶然にも美香の働いているところだった。
そこでしんじの仕事仲間の一人が、美香と知り合い、交際を始める。
しかし、ある日その仲間が突然死してしまう。
そして、しんじは、美香に徐々に惹かれだし、交際を始めるのだった。
お互いすれ違った心のままの交際することになるのだが........

正直、失望した。
前半から、香港のウォン・カウァイばりの流麗なカメラワークから始まったので、期待して観進めたが、若干良かったのはそこだけで、後は中身が無い。
製作者の主題、意図が全く感じられない。
原作は「詩集」と言う事だが、そもそも詩集を題材に映画を作るとは、凄いことだと思う。
ものの数行で完結してしまう、詩。それを一時間以上の映画としてまとめるのは至難の業だ。
事実この映画は、その点では失敗している。
もっと思い切った作りで、観客に挑戦するような創造物を作らなければ。
私は、原作の「詩集」を読んでいない。
映画を観る人によっては「この映画は原作を読んでおかないと」「原作を読めば映画の感想も変わる」と言う人もいるが、私はそう思わない。
映画は映画で、映画として成り立ち、観る人に「何かを」感じさせなければ、映画としての価値は無い。
よって私は、映画を観る前も映画を観た後も、原作を読んだりすることは無い。
この映画の監督は「川の底からこんにちは」「舟を編む」の石井裕也。
私は「川の底からこんにちは」(これもキネ旬ベストテンに入選している)を観た。しかし、その出来の悪さが、一種のトラウマになっているのか「舟を編む」も高評価していない。
今回の「夜空はいつでも最高密度の青色だ」は「川の底からこんにちは」と並ぶ程の作りの悪さである。
以前(二十年以上前)から、キネ旬ベストテンについては疑問を持っていた。
年によって当たり外れがあるのだ。
良い作品を選出してくれる年もあれば、今回のように「何故、この作品が」と疑問を呈する年もある。
映画を好きな人の指針となる「キネ旬ベストテン」もっとしっかりした感性で、作品を選んでいただきたい。
蛇足だが、キネ旬2017洋画部門のベスト1は、以前このブログでもご紹介した「わたしは、ダニエル・ブレイク」(ケン・ローチ監督)であった。
その出来の違いは「千羊の皮は一狐の腋に如かず」である。

2017年、日本製作、カラー108分、監督:石井裕也

明日のためにその305-今週の一曲。

2018年02月23日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひとときをいかがお過ごしでしょうか。
本日の「今週の一曲」は、スコットランド出身のアコスティックバンド「アズテックカメラ」の曲です。
音源は以前このブログでもご紹介した、ラフトレードレーベルから発売された「C81」と言う、カセットからのものです。
この頃の彼らは、ストレートなアレンジと、美しいメロディで、私は彼らに魅了されました。
しかし、メジャーデビューした時、その大仰で過多なアレンジで見事に素材の良さをダメにしてしまっているのを聴き、その後彼らの音楽を耳にすることはありませんでした。
しかし、本日ご紹介する楽曲は紛れもない傑作です。
では、ご堪能あれ。


明日のためにその304-人生タクシー

2018年02月21日 | アジア映画
未知の国イラン。

イラン。
遠い日本からは、その実情がつまびらかではない。
イラン映画と言えば「桜桃の味」に代表される、アッバス・キアロスタミが有名であろう。
今回紹介する映画は「人生タクシー」イランの名匠、ジャファル・パナヒ監督の映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

パナヒ監督は、政府から映画撮影を禁止され、素人タクシーで道路を流している。
彼のタクシーは乗り合いで、複数の他人を乗せ、目的地に届けている。
タクシーには、様々な人間が乗りあう事になる。
女教師、金魚を泉に返すため乗った忙しい老婆達、そして自分の姪。
様々な人間から現代のイランの内情がつまびらかになっていく......

ストーリーはないに等しい。
乗客の口から、イランに対する不満等々語られるだけの映画である。
よって台詞は多い。台詞だけで成り立っている映画である。
カメラも車内に設置された一台で基本的に映像を撮っている。
この映画はイランの人々の心情吐露で構成されている。
平和な日本にいると、想像も出来ないことが、イラン社会ではマジョリティとなっている。
監督の、運手するタクシーに乗ってくる、乗客の言葉を信じれば、日本では計り知れない人権的重圧があるのだろう。
映画としては、賛否分かれるだろう。
私は、映画の完成度は驚くほど良いものとは言えない。ただ、伝えたいメッセージを伝えるのにはその役をはたしていると思う。
自由な表現、日本ではあたりまえに市民権を持っているものが、イランでは、真っ向から否定されている。
その実情を知るだけでも、観る価値はあると思う。

2015年、イラン製作、カラー82分、第六十五回ベルリン映画祭金熊賞、監督:ジャアファル・パナヒ

明日のためにその303-完全なる人類

2018年02月19日 | スポーツ
日本が生んだ完全なる人類。

オリンピック。
四年に一度開催される、スポーツの祭典である。
毎年開催されるものと違い、四年に一度はスポーツ選手にとっては、その参加が千載一遇であることを物語っている。
現在、韓国「ピョンチャン」で、冬季オリンピックが開催されている。
一昨日、男子フィギアスケートで、羽生結弦が見事金メダルを獲得し、なんと66年ぶりとなるオリンピック連覇を達成した。
私は、テレビで彼の演技を見ていたが、そのスピンの素晴らしさに驚嘆した。
そのシャープな回転は、空を切り裂き、観衆の瞠若を引き起こすには十分であった。
あのシャイな性格、どこまでも前を見て真っ直ぐに進む様、これこそ「日本が生んだ完全なる人類」と呼ぶに相応しい。
彼曰く、スポーツ選手は30歳あたりが、一番脂が乗って良い時であるという。
私の好きなボクシングにもそれは言える。
30年ほど前なら、27歳ぐらいで、ボクシング選手は引導を渡され、引退していた。
それが今や、30歳を少し過ぎたあたりが最も充実した状態と言われている。
羽生のことだ、オリンピック三連覇も想像できないことはない。
これからも、彼を応援していきたいと私は思う。
話は変わるが、もう一人「日本が生んだ完全なる人類」は存在する。
それはMLBで活躍している鈴木一郎こと「イチロー」である。
彼は、MLBでも三千本安打を記録した他、数々のMLBの記録を更新してきた。
最近、華やかな噂を聞かない彼だが、その精神面とプロフェッショナル意識には感服する。
私の知っている限り、イチローは二度「国民栄誉賞」受賞を辞退している。
その時の弁は「自分が野球界から引退した後、それでも功績を認めてくれるのであれば喜んで賞をいただく」と言うものだった。これは男の美学などという、安っぽい形容詞であらわされることではない。
様々なスポーツ選手が、日本から海外に飛び出し、活躍している。
しかし、過去も現在も総括して「イチロー」は特別な存在である。
羽生結弦について、私見を書いてきたが、彼だけではない特別な存在イチローにも、もっと目を向けてもらいたいと思う。

明日のためにその302-今週の一曲

2018年02月16日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしですか。
今週の一曲がやってまいりました。
今回お届けするのは「ヤードバーズ」の「トレイン・ケプト・ローリン」です。
ヤードバーズと言えば、ロック界の三大ギタリスト、エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジを排出したバンドとして有名です。
今回お届けする曲は、ストレートなロックで、そのノリの良さは現在でも十分通用するでしょう。
では、ご堪能あれ。


明日のためにその301-パーフェクTV

2018年02月14日 | 日記
専門に特化したチャンネル。

1953年、日本に産声を上げたテレビ。既に今年で65年目を迎える。
この60年間、テレビの役割は大きく世間に影響をあたえた。
様々な流行が、テレビを通して世間に広まっていった。
一方、テレビが原因で、映画業界が斜陽を向かえ、やがて衰退してゆくことになった。
20世紀後半、テレビは徐々に世間が興味を引く番組を作ることができず、視聴率の低迷が続いた。
そこに現れたのが「パーフェクTV」等の専門チャンネルを持った「衛星放送」である。
最初に「パーフェクTV」次に「ディレクTV」「スカイTV」と三大衛星放送が開始されるはずだった。
しかし、パーフェクTVはスカイTVと合併し、ディレクTVは倒産。現在ではパーフェクTVだけが放送を続けている。
これは多チャンネルメディアにとって、危機的状況なのだ。
一社独占で放送媒体を握ると、切磋琢磨する者がいないため、自己満足的な放送を作りかねない。
事実、現在のパーフェクTVでは、見るべきチャンネルが少ない。
多チャンネル放送とは、そのチャンネルに特化した素材を流し続ければ良いのである。
くだらないミニ番組を製作し、放送するのはもってのほか。
最近ではあの「MTV」でも、自社で下らない番組を作って放送に乗せている。
MTVは様々なジャンルのPVを、ただ流し続ければ良いのだ。
私は以前パーフェクTVを見ていたが、興味惹かれるソフトがなかった。
何百チャンネルあっても、興味を惹かれるソフトが放送されていなければ、ゼロチャンネルに等しいのだ。
その時の気分にあわせ、チャンネルを選択する。このようなことは現在困難である。
是非「パーフェクTV」には、番組よりも素材を流し続けるチャネルが増えることを期待する。

明日のためにその300-チア☆ダン

2018年02月12日 | 邦画
若き日の郷愁を覚える一本

青春時代。
見るもの、触るもの、その全てに素直に感情をあらわせた時代。
今となっては振り返ることしか出来ない時代。
青春真っ只中では、その喜びをなかなか感じ得ない時代。
人生の矛盾した時代とも言えよう。
とてつもないエネルギーを自分の好きなことに注ぎ込めた時代でもある。
今回紹介する映画は「チアダン」
女子高校生が青春をチアダンスに賭ける物語である。
ストーリーを紹介しておこう。

福井県の高校に入学したひかりは、軽い気持ちで「チアダンス部」に入部する。
しかし、顧問の教師はスパルタで、部員をしごき続ける。
そんな彼女には夢があった、アメリカのチアダンスコンクールで優勝することだ。
よって、部員にも厳しく接する。
中にはその練習についていけず退部する者、意見があわず退部する者、様々な困難が発生する。
それでもひかり達は練習に励み、いよいよ福井県大会が始まることになるのだが......

ストーリーが良い。自身学生時代にバンドを結成し、ステージに上がるため、日々努力していた頃が懐かしい。
こうなると、映画の出来不出来は度外視して観てしまう。
なさけないかな、涙腺の緩むシークエンスも多々あり、時には涙をこぼすところもあった。
昔の自分を思い出してのことかもしれない。
映画自体は、絶賛するほど上手い作品ではない。しかし、ひかり役の「広瀬すず」が良い。
笑顔が魅力の明るい高校生を好演している。
ストーリーもいたって明快でストレート。
好感が持てる一作となっている。
今の自分に、自信がなくなった時。日々の生活に疲れてしまった時。
この映画を、観ることをお勧めする。
青春とは、心に収めた黄金の道程なのだ。
まだ観ていない方は、是非観ることをお勧めする。

2017年、日本製作、2017年2月日本公開、カラー121分、監督:河合勇人

明日のためにその299-今週の一曲

2018年02月09日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今週の一曲をお届けします。
今回は、以前のこのブログに投稿した「スエル・マップス」の名盤「ヨーロッパからきたジェーン」より「ヘリコプタースパイ」をお送りします。
音の隙間を埋めるような、音、音、音で編集された楽曲は、今聴いても新鮮です。
今回はセッション音源のご紹介となりますので、本来の彼らのアルバム楽曲に比べると、物足りなさはあるかもしれません。
しかし、彼らの方向性を感じるには十分でしょう。
では、ご堪能あれ。


明日のためにその298-今週の一曲

2018年02月02日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
本日も今週の一曲がやってまいりました。
今回ご紹介する楽曲は「Subway Sect」の「Ambition」です。
イギリス出身の彼らは、日本ではあまり知られていない存在です。
しかし、そのストレートな音楽は、聴く人を引き付けるでしょう。
それでは、ご堪能あれ。