亀井は必ず這い上がる

プロ野球は12月に入りシーズンオフ。この２カ月は選手会の取り決めで監督・コーチは選手を指導することはできないし、選手もユニフォームを着て練習はできない。

だがそんな時期でも遥か遠いオーストラリアリーグに武者修行として派遣され、５人の選手がいまだ試合をしている。彼らにとってオフはないに等しいのだが、その５人の中に亀井義之がいる。

思えば昨年の今頃は亀井はバラ色のシーズンオフを迎えていた。

プロ５年目でレギュラーの証しである規定打席に初めて到達。日本シリーズでも第５戦に同点ホームランを打つなど活躍し、優秀選手賞に選ばれた。さらに外野での守備が評価されゴールデングラブ賞も受賞。
ＴＢＳの「東京フレンドパーク」にも出演し、さらには「さんまのまんま」にまで。そしてＶ旅行…。


だが今年は信じ難い不振に陥った。打率.185ホームラン５本17打点。２軍落ちもした。

それでも原監督の評価は高い。ＣＳではスタメンに起用された。「ちょっと露骨（ひいき）すぎるんじゃないか？」と疑問に感じなくもなかったが、期待には応えられなかった。

シーズン終了後には外野に選手が揃っていること、小笠原が来季ファーストを守ることといったチーム事情もあり、サード挑戦へ。
現在、オーストラリアでもポジションはサード１本だという。（まあ外野はすでに球界でもトップクラスだから）

これだけ実績がある選手が、この時期に武者修行に出されるのは珍しい。その昔、イチローがウインターリーグに派遣されたことがあるが、まだ有名になる前で鈴木一朗の頃の話である。

それだけ球団は亀井に期待しているのだし、本人も必死でだろう。

だが私は確信している。


亀井は必ず這い上がる


と。アスリートとしての能力はものすごく高い。これだけの能力を持った者が、このままで終わるはずがない。ポジションはサードか、ライトかセンターかわからないが、来年１番応援したいのが亀井である。