投手に詰め寄ってよい死球、いけない死球とは?安全な乱闘“ドッグパイル”とは?
監督が従う戦術論“ザ・ブック”とは?
野茂英雄も破れなかったノーヒット・ノーランについての「メッツの呪い」とは?
もっとメジャーリーグを楽しむために、知っておくべき“書かれざるルール”。
1 書かれざるルール(選手のための書かれざるルール
監督のための書かれざるルール
審判のための書かれざるルール
公式記録員のための書かれざるルール
ファンのための書かれざるルール
メディアとメディア対応の書かれざるルール
その他の書かれざるルール)
2 野球に関する格言・教訓(A~Z)
メジャーリーグのデッドボールによる死亡者は、これまで一人しかいない。
1920年8月16日のヤンキース戦で、インディアンスのレイ・チャップマンが頭部にデッドボールをうけ、その12時間後に死亡している。
だが、下位クラスの野球では何件か死亡事故が起きている。
1909年から1920年の間に4人のマイナーリーガーがデッドボールで亡くなっている。
安全な得点差の見極めがいかに難しいかを物語る実例がある。
2001年8月5日、14対2でマリナーズの圧勝かと思われた試合で、マリナーズとインディアンスの監督が主力選手を引っ込めた。ところが、その後猛烈に巻き返し、延長11回に15対14で逆転勝利した。
2007年8月22日、30対0という歴史的大差がついたレンジャーズ対オリオールズ戦の例がある。
レンジャーズは過去110年間で1試合30得点をあげた初のチームとなった。
得点のほとんどは終盤の3回に入れたものだった。
「こんな試合が稀にしかないのには訳がある。
これは徹底的な屈辱を防ぐための書かれざるルールだからだ」
12点差から逆転した6つの試合(各リーグ3つづつ)を例にとり、絶対に安全なリードなど存在しないと主張した。
もっとも古い例は1911年6月18日、タイガースが4回裏13対1から巻き返してホワイトソックスを破った試合である。
ノーヒットノーランや完全試合になろそうなときは、それを口に出してはならない。
「口に出したとたん、あの卑怯な裏切り者の呪いがどこからともなく現れて、打球をあやつり、ノーヒットノーランをご破算にしてしまう」
1956年10月8日、ヤンキースのドン・ラーセンが、ワールドシリーズで完全試合
ワールドシリーズ史上唯一のノーヒットノーラン
選手は絶対に審判に恥をかかせたり、侮辱したりしてはいけない。
打者はボールとストライクの判定について、審判のメンツをつぶしてはならない。
打者は判定への不満を声に出すときは、審判の方を振り向いてはいけない。
「審判は争わないし、文句も言わない。ただ罰するのみ」
審判が自分に恥をかかせた投手のストライクゾーンを変えること、
プレートでの判定を不服とする選手に、あとで間違った判定を下して報復することはよく知られている。
「俺に恥をあかせようとしてまたミットをずらしたら、退場だぞ」