江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

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保育園民営化は、強引に進めるべきではありません(7月の福祉健康委員会�)

2008-07-23 | 保育園・幼稚園のこと
「区立保育園民営化計画に対する陳情」についての審査。

今回は、「区の施策と区民や議会との関係」という点から質問をしました。
陳情が出され、審議中であるにも関わらず、
�民営化該当園でのいきなりの園長の引継ぎや
�すでに「協定書」を取り交わしてしまった(7/1)等、
その方法は、納得や合意を得られなくても、既定方針として強引に進めていこう
としているとはいえないか。

住民との合意形成を大事にし、一緒につくり上げるという姿勢を、
行政は忘れないでほしいと述べました。
(署名数は17,415名分にもなっています!)

詳しいやり取りについては、以下参照。

間宮:結論については次回ということだが、陳情については結論出すということはもちろん必要。ただ、中身について十分審議されたかどうかというのは、よく見極めることが必要である。

先ほど片山委員から、不安はわかるがやってみて改善をすることも必要ではないかというご意見があったかと思うが、それに馴染むものと馴染まないものがあるのではないか。たとえば今回の場合、民営化はしたけれどよくなかったから元に戻そうとしても、いったん民営化された園が公立に戻るということは非常に難しいこと。子どもの心や体にどれだけの影響があるのかということも即効的にわかるものではない。だからこそ、やる前に、いま、十分な検討が必要なのであると考える。

前回の委員会の中では、子どもたちに負担を強いる民営化という点から審議をさせていただいた。
今回は、区の施策と区民との関係、区の施策と議会との関係という点から審議をさせていただく。

先ほど委員長のご質問の中で、説明会のときの様子が聞かれていたが、園長先生については、少しでも安心してほしいという思いから、すでに紹介をしたという事が言われていた。少しでも安心してほしいということでの紹介、ということが、やり方がまずかったと先ほどきちんとおっしゃってくださったから、確かにまずかったのだと思う。

その説明の中にもあったが、区立の保育園を知ってもらうということで、7月から研修という形で入っていただいているとあった。ということは、いまおいでくださっている方々は、やはり区立の保育園のことはよくご存じないということなんだなと私はとらえた。

しかも、保育や教育というのは、1年間を通して4月から3月までの1年間を通じて、1タームが終わって全体像がわかるのだと思う。それが区立のことをよくご存知ではない方が、7月から入る。半年だけ入るということで、本当に大丈夫なのだろうかと、より不安が募るというのはあるのではないか。
いきなりの園長の引継ぎというように思い、強引とはいえないか。

まず伺いたいことは、今回もまた署名が追加されて17,415名までになっている。この数をどう見ているのか。この数から保護者の納得や合意が、十分取れているとお考えになっているのかどうか、改めてお聞かせいただきたい。

矢野課長:区のことをよく知らないから心配になるということだが、保育というのは保育指針にしたがってされているから、どこの園でも基本的には同じ保育をされていく形だと考えている。ただそこの保育園のやり方はそれぞれちがうものを持っている部分があるので、いろんな所を経験しながら、勉強していくということも大事なので、そういう点で入っていただいたということ。保護者も入っていただいてそういう研修もしてほしいという意向もあるので、そういうのを受けて入っていただいているということで、入ることによって逆に不安をあおるという考えはぜんぜんない。入っていただいたほうが保護者が安心だということなので研修という形で勉強に入っていただいているということをご理解を。

陳情についての数については、先ほども追加があった。これはこれとして理解している。

ただ今回も鹿骨と北葛西を民営化した。その前の年に、東小松川も民営化されているが、この4月に民営化されたところも7月そうそうには、夏祭りなどをやって保護者が一緒になってお店を出したり、園と一体感を持ちながらそういうイベントにも取り組んでいる。だから、こういう民営化の話をする中で、保護者も、園のあり方、保育士のあり方も考えてもらい、民営化後もそういうことを受けながら協力をしてくださっている。盛大にそういうイベントも行なわれたし、そういうことを考えると、安心していただくことが大事であり、もちろん陳情の思いは重く受け止めなければならないけれど、保育に関してはご安心いただいたいというふうに思っている。

間宮:保育はどこの園でも同じという話しだったが、しかし私立の保育園に希望を出すときには、それぞれが別々なので必ず見学をしてくださいと区からはいつも言われる。それぞれの方針をお持ちでやっているので、一緒であるということは違うのではないか。

園長を引き継いだことが、不安ということもそうだが、不安の中味は、強引すぎないかということ。保護者の納得や合意が、これだけ毎回毎回署名数も積み上げられてきて、17,000人は非常に大きい数である。この方々の納得や合意がまだとれていない中でも、行政が既定方針だからということで強引に進めているとはいえないのかと疑問に思う。

もうひとつは、協定書が結ばれたように仄聞しているが、いつ、内容はどのようなものか。

矢野課長:民間保育所をご覧下さいというのは、それぞれ民間には特徴を持った保育をしている部分がある。基本は一緒だが。たとえば、宗教法人だとこういう部分がある、学校法人、個人がやっている所もあるので、そういう特徴もよく見てくださいということは話している。

協定書については、先ほど委員長の現状どうなっているというところで、言いもらしてしまったが、協定はいままでは9月に結んでいた。それはどういうことかというと園長先生が入りだすと、個人情報を見て、この子の育ちやなんかを見ながら、その状況を見ていく場合がある。したがって、正式にきちっと協定を結んで、個人情報の保護やなんかの秘密保持そういう点も確保したいといううことで、その前に協定を結んでいる。当然、協定の中には、来年4月からに向かって、いままでどおり財産貸与方の民営化を進めるということでその部分と両方が入っている協定である。
7月1日から園長候補が入るので、7月1日付で結んだ。

間宮:協定書については、次回提出していただくことは可能か。

矢野課長:可能。
 
間宮:では、次回提出を。

先ほど、進み方が早いので心配されている方々もいるという意見があった。私は、この協定書が結ばれているということ、また園長の引継ぎがすでにされてしまったということ、これが、非常に疑問でもあり、確かに不安をあおる材料になっているだろうと思う。

陳情の中では、民営化の計画を発表する場合は、移行の5年以上前にしてほしいとか、また、いまの子どもたちがいる間は、卒園まで公立として責任を持ってほしいということも書かれている。ところが、今回このように、園長の引継ぎもあり、協定書も結ばれている。
この委員会の前に、再び陳情者の方々からいろいろな資料が送られてきたが、私はそれを見てたいへん切なくなった。他の委員の皆さんはどう思われただろうか。
私たちの声が何で届かないの?こういう陳情を出して、これは一体何の意味を持つんだろうかとか、悔しいという思いがあふれているように思う。

今この陳情を、みなさんとともに話し合っている段階で、協定書が結ばれていくことなど、非常に疑問を持つし、子どもたちのためになるのだろうか、区民の方たちのためになるんだろうか、強引にやっていくということは本当にいいんだろうか、住民との合意形成を大事にすると言いながら、実際は置き去りにしているのではないかというふうに思う。

2007年に松江保育園が廃園になるといったとき、あの時平成17年度の決算特別委員会の中で、自民党の先輩、大先輩の松下議員からご意見があり、この中で言われていたことが頭に思い浮かぶ。松下元議員がおっしゃっていたのは、4月に松江幼稚園の廃園については聞いたと。4月か5月頃だったと思うとおっしゃっている。自分自身は統廃合も民営化についても可能性はあると思っている。しかし今回は、突然である、寝耳に水である、びっくりしているということ、また拙速であるということを再三おっしゃっていた。
幼稚園だけでなく、保育園もそうだが、こういったことについてはかなり時間をかけてやらなければいけない問題であるということ、そうしなければ、あまり期間が短いと関係者の十分な合意は得られないということもおっしゃっていた。

また、その後の発言で、これも先輩に当たりますが、吉越議員の方から、議会に対する説明不足、という言葉も出されている。あのときに、議会に対する説明不足があるんではないかということが、いろんな場面で話しになったのを覚えているが、自民党の大先輩もこのようにおっしゃっていた。

私は、この後どんどん保育園が民営化されていくにあたり、議会との話し合い、いちばんは住民の皆さんとの話し合いですが、その合意には充分に時間をかけるということはどうしても必要なことと思う。

だからこそ、文京区は3年間もかけて、民営化後の保育の質の維持が不透明だということで、子育ての拠点としては区立園を大事にしていきたいということを、保育ビジョンとして出された。3年間かけた。

そこで、一番初めの意見に戻るが、不安はわかるがやってみて改善をするということではなく、やはり今ここで、立ち止まって、しっかりと内容について、本当にこれでいいのだろうか、本当に子どもたちにとって大事な方向なのだろうかということを考えるということ、それが必要ではないかと思う。

最後に、ひとつだけお伺いする。区として、協定書を結ぶ、あるいは、園長の引継ぎを行なうということで、住民のみなさんとの合意が充分取れていると考えているかどうか。強引に進めているとはいえないかどうかということを再度お答えを。

稲毛部長:いろんなご意見もあったが、たとえば6月の議会でも、間宮委員と同じ会派の方の質問があり、民営化というのはどうして、なぜこういうふうに進めてきたのかということについては、そもそも始めるときに、議会の皆さんにもおはかりもし、ご意見も伺いながら、こういう形で江戸川区としてはやっていくんですよと、そのことの説明は何度してもなかなかわかってくださらない会派もあるんだけれども、こういうことですよってことであのときに答弁をしていることを思い出してほしい。そういった基本的な考え方を堅持しながら、進めているということをよく承知をしておいていただきたい。

それから、あたか6月に園長候補者を紹介してしまったら、それで全部引き継ぎは終わっちゃったかのような言い回しをされたが、そうではない。むしろ、早く決めてくださいというのは、来年の4月に向けて、ひとつひとつをていねいに、意見交換をしたりいろんなことをしていって、何か問題点があるならば、それを早めに、お互いに分かり合って、それを何とか工夫で持って乗り越えて、来年4月に民営化していくときには、いい状況ですすめていきましょうよと、そのためには、そういったことも丹念にやるべきだということで、早くという多くの方の意見も頂いていた。

なるほど先だってのときには、急遽法人のほうで努力をしていただき、決めたばっかりだったものだから、そういう方がいらっしゃるということをみなさんにお知らせしきれずに、紹介してしまったということについては、その手順としての恨み(?)はないとはいわないが、しかし思いとして言っていることは、そういったことをひとつひとつていねいにするっていうことをねらいとして、持ったからこそやったこと。それを裏返し裏返しにおっしゃるということは、逆の意味で理解できない。

間宮:6月の本会議で、区長は、時代の流れである、民間の活力を使って公を小さくするとおっしゃっていた。ここに、子どもの権利や保育の向上という理念がどのように絡み合っているのかということかと私は思う。

住民との合意形成を大事にして、一緒にやっていくんだという姿勢を行政は忘れないでいただきたい。民主主義は時間のかかることだが、あらためて自治体が何のためにあるのかということを問いながら、住民との合意形成を粘り強くつくっていっていただきたい。

それをやるからこそ6月に発表したとおっしゃるが、この陳情が出されている中で、非常に拙速であり、強引であると思うと申し上げて終わる。

片山委員長:他にないようなので、先ほど申し上げたとおり、次回の委員会でこの陳情についてどう取り扱うか、各委員からの意見を伺いたい。本日は継続。
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2 コメント

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保育園の民営化 (間宮ファン)
2008-08-06 20:23:05
保育合同研究集会に参加しました。
そこでも民営化によって、子ども、保護者保育者が傷ついていることが、報告されています。入ったときには公立だから、希望したわけです。公立だからこそ、保育水準が守られているのではないでしょうか。うちの子も3人とも公立でした。(江戸川ではありませんが)しっかり育ててもらいました。公立を守り続けてほしいです。それこそ福祉を大切にする江戸川区の方向だと思います。
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どなただろう・・・ (yumi-m)
2008-08-07 09:56:13
ありがとうございます。
なんだか、遠くから見守っていてくださる人がいることを感じ、とても心強く思いました。

私は教員だったので、保育の研究会は、初めての参加でしたが、今年度は委員にもなり、論議をする先頭に立たなければならないので、勉強させていただいてきました。

勉強するっていいなあ、と分科会に参加しながら思っていました。

お子さん3人を育てていらっしゃるんですね。
えらいなあ。
ほんとうに子どもは宝物だと思います。
笑顔がそばにあるだけで幸せ。

大変なこともいっぱいあるだろうけれど、がんばってください。ブログ見に来てくださって、ありがとうございます。
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