江戸川区議会議員 間宮由美のblog * ひとりじゃないよ。プロジェクト*

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19,340名分の署名が積まれた「公立保育園民営化についての陳情」不採択に(福祉健康委員会)

2008-11-13 | 保育園・幼稚園のこと
久しぶりに晴れて、気持ちの良い日となりました。
自転車で向かうと、役所の横のいちょうの葉っぱが、こんなに黄色く色づいていました。

委員会は、陳情に対する結論を出す日となりました。
結論が出されるという今日、さらに、462人分の署名が追加されました。
「民営化をしないで」というみなさんの運動が、これきりではない、
さらに発展していく、その芽を見た思いがしました。

また、今年も福祉健康委員には、毎回、入れ替わり立ち代りに、陳情者の方々が傍聴にお見えになりました。
仕事を休んで、傍聴にいらっしゃる。
それだけでなく、署名を集め、福祉健康委員会のメンバー全員に手紙を作り、
会派を回って話をする、これはどんなに大変なことだっただろうかと思います。
民営化がなかったら、こんな大変なこともさせずに済んだのに、と思わずにはいられません。

区民の皆さんが、大変な思いで、「民営化しないで」という訴えを果敢に行なっているのだから、
議員である私は、告発や批判や提案をしっかりとしていかなければと思ってきました。

ひるまず意見を言い続けられたのは、私の意見の後ろには、
何万という人たちがいるという思いでした。

結果は非常に残念であるけれど、どの会派も区民の意見を聞く努力を区はするように
ということを付け加えていたことが、運動の広がりを感じさせました。

◆部分採択に反対:自民党・公明党・民主党
◆陳情文全体に反対:自民党・公明党・民主党・生活者ネットワーク無所属クラブ

以下、「32号 江戸川区立保育園民営化計画に対する陳情(審議7回目)」の
審議の様子を掲載します。

■署名の追加 印なしで462人の追加で、19,340人

■一部採択についての検討結果の発表

自民党(中山) 32号陳情については、第3回定例会本会議中の委員会付託の中で結論を出す予定であった。しかし、会議の中で、陳情項目についての一部採択についての発言があったことで、継続審議となったわけであるが、わが会派としては、一部採択はいかがなものかなと考えている。

陳情項目の中にも、公立保育園の民営化中止とあることからも、この件に関しては、以前に同僚議員からも、記書きの各項目についても再三賛成できないと申し上げているところであり、わが会派としては、陳情32号については、不採択とさせていただく。


公明党(田中) わが会派も持ち帰り、部分採択はいかがなものかということで審議させていただいたが、やはり部分採択とはいかがなものかと、きちっと採択すべきものなのか、不採択なのかをはっきりしていった方がいいということで、部分採択はないということで、結論を持ってきた。


日本共産党(間宮) 記書きの2番以降、どうしても民営化を進めるというのであれば、民営化園に移行する5年以上前に発表してほしい、あるいは、保育士の配置基準、年齢・バランスを公立と同様にしてほしい、あるいは、引継ぎ期間は1年以上の充分な期間をかけてほしいということについては、当然の要望であると思う。
子育ての主権者は父母であり、父母が自らの子育てにかかわる施策を深く理解したい、また、積極的にそのあり方に関わることについては、非常に評価されることであり、利用者の参加のレベルを引き上げようということにおいても、世界的な潮流であると思うので、この点について、私どもの会派として賛同をしている。

前回までの委員会の審議の中では、「民営化には賛成である。しかし、方法については熟慮を望む」という声が大半であったので、部分採択もありえるのではないかとも思っていた。そして、部分採択ということになる場合には、私たちの会派も、それに対して賛成をするつもりでいた。
ところが、本日の自民党、公明党さんの意見開陳によれば、それはありえないとの意見開陳があったところである。部分採択がいかがかということの理由が、よくわからないが、それでもそのことに対して賛同ができないということであれば、部分採択は、全会一致であるので、大変残念なことにその道は絶たれた。
それであれば、会派としての主張は、採択でしかないと考える。


民主党(江副) 32号陳情に関する部分採択であるが、会派にもちかえり、検討した結果、部分採択ということであると、全会一致ということが原則であるので、この陳情の中でうなづける部分、これからの検討をするべき部分というのは、確かにあるとは思うが、民営化を中止というものに対して、我々は重きをおき、今回、部分採択については、とらないという結果になった。


生活者ネットワーク・無所属クラブ(新村) 私たちの会派は、前回委員会で申し上げたように、記書きの3の(1)、記書きの4に関しては、採択できるものであれば、部分採択という形をとりたいということは申し上げたが、それについて持ち帰り、やはり、部分採択をしたいという意見を持ってきた。


委員長(片山) 一部採択については、意見が分かれている。一部採択は全会一致が原則であるので、今回の部分採択については、できないということになった。したがって、陳情文全体について、結論を出したいと思う。


■陳情文全体についての結論の意見開陳

自民党(中山) 無言 (委員長:先ほど言ったことでということで)


公明党(田中)この件に関しては、長くいろいろな形での議論を重ねてまいり、記書き1にある公立保育園の民営化計画を中止してくださいという大きなテーマに沿っていくと、わが会派としては不採択という結論を持ってきた。

なお、他の記書きに関して、努力しているところは重々理解しているところであるが、これからも保護者の意見をしっかりと踏まえた上でひとつひとつ細かい点に至っても、行政側として努力をしていただきたいということを付け加えておきたいと思う。 


日本共産党(間宮) 意見開陳に先立ち、ひとこと申し上げたい。
前回の委員会において、自民党の委員の方から、「現職の保育士が、自分たちの首が飛んでしまうから、保護者を何とか味方につけなきゃならないということから、端を発している部分も推測できる。そして、先生方が民営化ノーなんだと説得されると、今度は子どもたちにそういう姿勢をだしていく」という意見が出された。これについて、聞きおくことはできないと思っている。
多くの保育士の皆さんは、保護者と話したくてもこの件について話せないでいる状態があるのではないかと、それこそ推測されるところであり、子どもたちのことに心を砕いて保育をされている。また、保護者の皆さんについても、民営化についての子どもたちへの影響について、率直に疑問や不安を持っているわけであり、そのことを、首が飛ぶから云々というふうに矮小化することは、許されないことではないかと思うので、一言申し上げさせていただいた。

日本共産党の意見を申し上げる。
民営化される園が決まってからの3年間、民営化反対の署名は、毎年増え続けて38,000人分を越え、また、今回、葛西第2、東小岩、春江保育園については、今日もまた署名が積み重ねられ、19,340人分となっている。
ここには、決して一部ではない、多くの方々の、公立保育園を残してほしいという要望がこめられているとみるべきと考える。

また、今年も福祉健康委員には、毎回、入れ替わり立ち代りに、陳情者の方々が傍聴にお見えになっている。仕事を休んで、傍聴にいらっしゃる。それだけでなく、署名を集め、福祉健康委員会のメンバー全員に手紙を作り、会派を回って話をする、これはどんなに大変なことだっただろうかと思う。民営化がなかったら、こんな大変なこともさせずに済んだのに、と思わずにはいられない。

保護者の方々のこの切実さは、何より、「民営化というものは、子どもたちのためになるのだろうか」、という素朴な疑問である。ところがそのことについて、明確な答えもないまま進んでいることに、疑問も不安も強めていると思う。
また、今回のように陳情が出されているそのさ中で、転園の希望の調査やおひさま園への入園の申し込みをしなければならないということには、どんなにやりきれない思いを保護者の方々にもたせただろうかと思わざるを得ない。

民営化は、子どもにとってよいことなのか、子どもに負担を強いることはないのか、検討をする場が必要だということを再三にわたり要求してきた。しかし、それを開こうとはしないまま、既定方針として次々に公立園を廃止していくやり方は、区の主人公は一体誰なのだろうかと、問いたい思いである。

また、保育計画の中では、保育園の運営水準などは、すべて同一であると書かれている。
一方で、行政サービスの向上や経費削減を図るために民間にできることはできる限り民間にゆだねていくとも書かれている。
陳情者から、最後に送られてきた資料によると、民営化することでの経費削減の資料については、区としては作成していないため不存在とのことだが、公立保育園はこれから大量の定年退職者も予想されるところであり、経費の具体的な積算をしないまま、削減ができるとすることについては、疑問を持つところである。

私立保育園の中には、地域の親の願いを受けて、がんばっている私立保育園が多数ある。しかし、今国が進めている、行革路線による民営化の計画は、「コスト削減」が最大の目的であり、これまで、少ない運営費でがんばってきた私立保育園への補助金もさらに削りながら、公立保育園の水準も下げてしまおうという、乱暴なやり方だと思われる。これでは、私立保育園ならではの特色を出すどころか、私立保育園の経営もさらに厳しくして、園の目指す豊かな保育を実現できなくなるのではないかと考える。

よい保育を行うには、心を響かせあいながら保育ができる環境を整えること。そのために、保育に必要な条件をきちんと整えることが行政の役割。
その行政の役割、自治体の基本的役割を放棄してしまうという方向を示しているのが、公立保育園の民営化問題ではないか。
そのような方向も含め、保護者や現場の保育士、学識経験者を入れての、民営化についての検討委員会を設けることが、どうしても必要だと、あらためて要望する。

私たちは、このような問題を抱えながら出発をしている公立保育園の民営化については、明確に反対の意思を示す。
そして陳情については、採択を求めるところである。
民主党(江副) 区議会民主党としては、はじめに32号陳情に関しては、不採択の立場をとらせていただく。先ほどの部分採択の意見開陳のときにも申したが、保育園民営化中止という項目に重きを置き、今回はこのような結果とさせていただく。

がしかし、今回これほど多くの方たちが署名に名を連ねて、民営化に対する思いを区側に言ってきているということは、行政側としても大きく受け止めていただいて、今後も保護者の方たちに対する窓口を広げていただき、今後民営化される保育園に関しては、一層の対話の窓口を広げ、対話を重ねていただき、保護者の方たちも納得をし、子どもたちの保育が、何より今までどおり、従来どおり、高い水準のものが続けていけるよう、最善の努力をしていただくことを求め、区議会民主党の意見とさせていただく。


生活者ネットワーク・無所属クラブ(新村) 私たちの会派では、先ほども申しあげたとおり、一部採択にしたい、部分採択にしたいとずっと考えていた。

再度、重複はするが、もう一回その理由を言わせていただく。前回の委員会でも申し上げたが、記書き3の1、民営化の発表を移行の5年以上前にということについては、2002年の江戸川区長期計画で人口についての推計をしているわけであるから、年齢別、地域事務所別に2020年まで出ている。保育計画においても5年後の予測を立てるということが、可能なのではないかと考えている。
入園するときに、将来民営化される可能性があるとわかっていれば、保護者はそれを情報のひとつに取り入れて選択ができるわけで今のような混乱は避けられると思う。

また、記書き4の次世代行動計画後期計画の策定に関して、私たちはこの行動計画に基づいた施策を利用する当事者である区民が参加して、それぞれの意見や情報を出し合って、施策に反映させる場を作るということが大切であると考えている。この部分に関しては、陳情者と同じ考えを持っている。

ただし、ここで採択か不採択かどちらかを選択するということになると、私たちは基本的には民営化に賛成をしている。また、公立保育園の民営化にあたっては、江戸川区が区として関与して、就学時の事情をよく知っている私立幼稚園や私立保育園の設置者、園長によって、社会福祉法人を設立して、運営を託すというえどがわ方式をとっているところである。この江戸川方式においても、江戸川区の保育には区が責任を持つのだという姿勢をうちだしているということで、一定の評価をしている。
よって、今回の採決については、私たちの会派は不採択とする。

ただ、民営化するにあたり、私たちの会派としての意見を述べさせていただく。
今回区の姿勢を示し、区の保育計画の中で、民営化の進め方について、明文化したものを出したということは、保護者への周知になったと考えている。
引継ぎについては、期間も方法も規定され、職員の資質向上や実施者としての区の責任についても明言している。それでも、今後に向けて不安を抱いている保護者に納得してもらう努力は、引き続き行なうべき。

該当園での保護者への説明会はこれまで通り開かれると思うが、区は保護者子どもたちが、何について不安を感じているのか、ということを把握して、その不安を取り除いて保護者や子どもたちの意見を聞きより良い保育をつくるという努力をしていくことは不可欠だと思っている。

そして、より良い保育園をつくるために、区と法人だけの協議会ですすめるのではなく、民営化することについて、実際に保育園に通わせている保護者、保育士、これは正規職員も非正規職員も含めて、またすでに民営化している園、それからまだこれから民営化する園も含め、あり方を検討する会のようなものを設けることが必要だと考えている。
春江保育園のように、個々の保育園で検討する会を作っていくことも、大事なことだと考えている。
区と法人、区民の共同によって、みんなで保育園の民営化を進めていくということは、江戸川区にも、法人えどがわにも、利用者である区民にも最良の方法であると考えている。

また、私たちは議会としての立場から、民営化された保育園の運営について、財政面での効果も充分に検証していかなければならないと考えていることも申し上げて、私たちの会派の意見開陳とする。


委員長(片山) 意見が分かれているので、採決をする。第32号保育園民営化計画に対する陳情について、採択をすることに賛成の委員の方は、挙手を願う。

(日本共産党(間宮)ひとりのみ、挙手。)

委員長(片山) 賛成少数。したがって、第32号陳情は、不採択するものと決した。
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5 コメント

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ありがとうございました (かあちゃん)
2008-11-15 20:14:16
こちらこその方こそ、毎回毎回、与党議員の攻勢にもひるまず、めげず、保護者の思いを十分汲んだ意見を堂々と述べていらっしゃった間宮議員にどれほど勇気をいただいたことか。本当に感謝しております。今回は否決となりましたが、会派を越えて意見が交わされただけでもかなりの前進なのではないかと思っています。民営化には賛成としながらも、区側に最善の努力をするようにとの意見も出され、少しは保護者の思いが届いたかな、と今まで積み上げてきた保護者の切実なる思いとみんなで力を合わせた成果ですね。
民営化問題がなかったら議会傍聴なんて私の人生にはなかったことと思います。でもおかげで学ぶことは沢山ありました。自分たちの生活、社会をよくしていくため、子どもたちの未来のためには政治に無関心ではいけないと改めて気付かされました。
返信する
かあちゃん さんへ (yumi-m)
2008-11-18 06:23:03
ありがとうございます。
かあちゃんたちの必死なまなざしに支えられ、
子どもたちの健やかな成長に責任を持てる自治体をつくらなければと、思ってやってきました。

直近の財政効率だけを考えて、子どもたちの今と未来に責任が本当にもてるのだろうかと、
疑問です。
せめて、保護者、現場の公立・私立の保育士、有識者などを交えて
話し合いを重ねることができれば、
きっと結論の方向はおのずと違ってくるのではないかと、思います。
それは、子どもの育ちという観点から、出発できるからです。

かあちゃんがおっしゃるように、政治は生活に密着しています。
決して遠いところのものではありません。
だから、それをしっかりと見ること、選ぶこと、声をあげることが、
とても大事なことです。

これからも、まだまだ続きます。
19,340名分の署名と、署名までたどり着けなかったけれど、今の状態を心配しているたくさんの親ごさんたちととともに、
子どもたちのために、がんばってまいりましょう。

議会を動かし、保護者の不安をなくすように努力するようにという意見が、
どの会派からも出されたことは、かあちゃんたちが、声を伝え続けたからにほかなりません。
まっすぐなかあちゃんたちに、たくさん勇気をもらってきました。
ありがとうございます。
そして、これからも、よろしくお願いします。
返信する
だんだん (松江のトラ次郎)
2008-11-23 19:09:43
ふーん、民営化反対てて大事なこと言っちょうに、不採択にすー会派が今時まんおあーだかね。まぁおべたわ。そげな連中は次の選挙でこらしめてやらんといけん。いまは国民の声が政治を動かす新しい時代だけん、あきらめんこにがんばらっしゃい「かあちゃん」たち。
返信する
松江のトラ次郎様 (yumi-m)
2008-11-24 02:15:40
はじめまして。
ありがとうございます。
トラ次郎さんは、どこのお生まれでしょう、島根?

はい。いまどきあるんです。
驚いてしまいます。
トラ次郎さん、かあちゃんたちに、どうぞ
力を貸してあげてください!

また、きっと署名も始まります。
新しい時代をつくるために、
お力添えよろしくお願いします!
返信する
松江って、島根の松江ですね! (yumi-m)
2008-11-24 03:07:29
いまわかりました!
ベッドから飛び出てしまいました。

松江って、わたしすっかり江戸川区の松江だと
思っていました。
でもこんなに島根の言葉がわかるなんて・・・
どなただろうと話していて、
あっ、島根の松江のwさんだ!とわかりました。

あったかさを感じる文章に、あーなんで気づかなかったんだろう

返信する

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