聖路加国際病院院長 福井次矢さんが薦める3冊、というコラムをその3、でようやく目にとめた。
2015年7月6日。
トルストイ「イワン・イリッチの死」(岩波文庫)
19世紀後半、ロシア中央裁判所判事にまで登り詰めたイワン・イリッチが、45歳で死ぬまでの心の動きを微細に描写した小説だ。
脇腹の痛みを、最初は「取るに足らない」と無視するが、痛みが激しさを増す中で死に至る病だと受け入れるまでの肉体との対話。一方、家族や医師が真実を隠しているのではないかという疑念、自分の人生が間違っていたのではないかという悔恨など、周囲や人生そのものとの対話。そうして迎えた臨終の間際、彼が達した境地は・・・。
時代が変っても、誰もがいつかは家族や他人の死、自分の死に臨む。物語を通した死の疑似体験から、生を凝視する視点が得られよう。
ロシア文学のテーマは重く、その深さには驚きを禁じ得ないことが多く、何度読んでも発見があるところが魅力。
医師である推薦人の言葉にも、別れがこれから多くなるであろう人生を予感すると、なおのことその意味が深く心に届くように思えます。
2015年7月6日。
トルストイ「イワン・イリッチの死」(岩波文庫)
19世紀後半、ロシア中央裁判所判事にまで登り詰めたイワン・イリッチが、45歳で死ぬまでの心の動きを微細に描写した小説だ。
脇腹の痛みを、最初は「取るに足らない」と無視するが、痛みが激しさを増す中で死に至る病だと受け入れるまでの肉体との対話。一方、家族や医師が真実を隠しているのではないかという疑念、自分の人生が間違っていたのではないかという悔恨など、周囲や人生そのものとの対話。そうして迎えた臨終の間際、彼が達した境地は・・・。
時代が変っても、誰もがいつかは家族や他人の死、自分の死に臨む。物語を通した死の疑似体験から、生を凝視する視点が得られよう。
ロシア文学のテーマは重く、その深さには驚きを禁じ得ないことが多く、何度読んでも発見があるところが魅力。
医師である推薦人の言葉にも、別れがこれから多くなるであろう人生を予感すると、なおのことその意味が深く心に届くように思えます。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます