最近はターミナルタックルに関しては,中国のAliExpress等で安価に購入できるようになって来ましたが,オモリに関しては,重さの関係で送料が高く,なかなか海外のショップから購入することは厳しい状況で,必然的に日本のショップで買うことが多いと思われますが,釣具店などで売っているオモリからするとかなり高価になり,悩みの種であるのは,私だけではないと思われます.
日本式の鯉釣りとCarpfishingを比較した場合に,このオモリに関して,意識の違いを感じてしまいます.日本では光沢に関しては,昔から山田氏の著書などからも,錆びさせて使うなど工夫がみられてきましたが,Carpfishingでは,色も目立たないように着色したり,外れやすい工夫がなされています.少なくともこの外れやすいという概念はCarpfishingの特徴と言えます.
では,なぜ外れやすくするのか?と思われる方も多いと思いますが,これは,鯉が針がかりした際に首を振ったりするとき,オモリの反動でハリが外れることが多いので,それを防ぐためにオモリが外れやすくしてあります.
特に浅場で鯉が針かかりした際には,バラすことが多いことをベテランの鯉釣り師の方は経験していると思います.浅場では特にオモリの反動の影響が大きく,苦い経験をされた方も多いと思います.しかし,日本式の鯉釣りでは,それを回避する方法がありませんでしたが,Carpfishingでは,外れやすくする工夫がなされています.
私も長年にわたり,日本式の鯉釣りを実践してきましたが,その過程で,山田氏の著書や野生コイ研究会の方の話をお聞きしてきた中では,Carpfishingで工夫がみられることと共通点が多いことが感じられます.その意味で,山田氏やその研究会の先見性やその「技」ともいえる技術の高さを感じます.逆に言えば,それ以外の日本式の鯉釣りの技術的な未熟さというか,進歩のなさを感ぜざるを得ません.その背景には,鯉釣り人口の差があると言えます.
また,欧米と日本の文化的な違いもあるかもしれません.日本では昔から技術や知識までも,進んでいくと秘伝と称して特定の派閥のものとして隠す傾向になります.しかし,欧米では技術や知識は実用化されることで普及して,更には改良がなされ,進歩していくという具合です.
数学でも,日本では江戸時代に関孝和などが欧米の数学を凌駕するような発見をしているものの,関流と称して秘伝化して,その発展を結果的に妨げることになります.一方ヨーロッパでは,大砲の弾道計算や航海に必要なことから数学が発展して,実用化に寄与する中で,大いに発展していきました.さすがに,日本も明治維新からは,和算から数学になり,今に至っていますが.
さて,オモリですが,値段を考えて自分で色を付けてさらにスイベルをつけてCarpfishing用に使えないかと,私の行っているのを少し紹介します.
六角オモリは地元の安い釣具屋さんでは,20号37個で1350円,1個50円という安さです.しかし,Carpfishingで写真のようにスイベルをつけるために,ひと工夫必要になります.
一番苦労するのは,スプリットリングにスイベルをつけるためにリングを開ける必要があり,爪で行うとなかなか難しいので,
のようなツールを使っています.バス釣りではよく使うツールですが,鯉釣りではほとんどの人が知りません.これを使って,
写真のようにリングを開け,
スイベルを通して,
もう一方の方もオモリにを付けることで,なんとか
のようになります.まだ改善の余地はありますが,値段的にも効率的にも有効であると思っています.なお,オモリの色は水性スプレーで着色しますが,余っている段ボール箱の中で作業をするとオモリが引っ付かずに効率よくできます.新聞紙の上でやると新聞紙がオモリにへばりついてしまいます.これは,知り合いのアングラーから教えていただき,重宝しています.スプレーの色は3色くらい用意して,塗り重ねもいいかと.なお,スプレー式でなく,缶に入った水性ペイントだと,乾いて,使用している中で,剥がれてくることがあるので,スプレー式をお勧めします.