12月になり,寒さとともに,大型が狙える時期になって来て,地元河川の櫛田川でもその大型をと,このところ釣行を重ねています.ただ,いくら鯉釣り師が少ないと言っても,私だけでも数多く同じポイントに入れば,警戒心を増すだけで,釣果は期待できなくなります.警戒心が増す前に大型をと期待はするものの,なかなかそう簡単に釣れるわけでもなく,ある程度通いながら,餌に慣れさせて,釣果に結び付ける,警戒心と餌慣れという二律背反する命題に最適解を求めるような釣りになります.他の釣り人がいない環境なので,結果に対してはすべて私自身の釣りそのものであり,他の場所にはない面白みさえ感じるポイントでもあります.
鉄橋を下流の止水ゲートから見るとこんな感じです.全体がポイントのような感じですが,鯉の回遊コースであったり,餌場を自分の足と目を使って観察しながら,釣果に結び付ける一連の鯉釣りの作業が結局は大事であり,そこにも面白みがあると思います.釣れたという情報だけで,そのポイントに入るしかポイント選定基準がない鯉釣りが増えていることを,最近は残念に感じている自分がいます.その意味でも,自分のそういう技術というか,技というか,目というか,鯉釣りを楽しめるものを増やすことで,自ら面白みを増やせると感じています.
最近は,小口バスを狙うバスマンも多くなりつつありますが,その背景には,野池での釣り禁止が大きく影響していると思われます.この櫛田川ではバスマンと遭遇すること割合少なかったのですが,年々増えてきているように感じます,とは言え,恵まれた環境ではありますが,ここでもカメが多く繁殖していて,やっとこの時期になれば,その影響も少なくなりつつあり,少なくとも私の釣りではほとんど亀の影響は受けていません.ポイントの選択として,今回は
JRの鉄橋の橋脚付近を意識しました.写真でもわかりますが,橋脚の下流10m程の乱杭が川を横断している感じで,そこに流れてきた竹などが引っ掛かっているのが分かります.水深は2,3mくらいで手前の右岸から左岸に向けて深くなっています.最深部は4m程です.500m程上流には産卵場もあり,確実に生育する環境であり,鯉にはかなりいい環境で,個々の鯉の姿のきれいな写真を見るたびに,このポイントの良さを感じています.取りあえずは,餌慣れさせるためにフィーディングをして,次回のポイントにしておき,前回帰り際にフィーディングしておいたポイントに入ることにします.
今回は,短時間釣行なのですが,場荒れを意識して,1本だけを短時間でという課題を設定して早速餌を打ちます.
昼前に第1投ですが,餌交換は考えず,この1投での勝負です.しかし2時間たっても気配はなく,そろそろ警戒心も出て来て厳しいかなと思われますが,一応年内は今回を最後と考え,新春の初釣りを楽しみたいとこれからの計画を練っていた時に,アタリを知らせるバイトアラームの音です.勢いよく糸が出ている感じで,釣り座に近づくにつれて,リールのスプールが逆転しながら回転している音がかすかに聞こえてきます.釣り座に着くとまさにその光景が目の前に現れ,鯉が走っている様子がリールのスプールの回転からも伺い知れます.なぜかその臨場感がたまりませんね。
竿を持ちながらドラッグを締め,そしてその引きを感じてまた少しドラッグを緩めて鯉の動きを感じます.この一連の初期段階の動作には,いつも緊張感が伴いますが,その緊張感を味わえるのもこの鯉釣りの醍醐味ですね.
相変わらず,このポイントの鯉の引きは強く,さすがに川の鯉らしく,掛かりや足元の葦の枝も気にしながらの寄せは,それを経験するたびに技術も意識されてきて,さらにそこに面白さが加わって,鯉釣りの醍醐味の深さを実感できます.
最近は掛かりの多いところでも,それを避けるのではなく,それを楽しむくらいの気持ちでそのポイントを選ぶなどしていますが,そこにも面白さを見いだせて,改めて鯉釣りの面白さを再認識しています.
寄せる速さと鯉の引きの強さ,そして走る方向など,喰わせてからの味わい方は,限られた時間内でも十分に意識できるようになり,瞬間的な面白み,醍醐味も感じています.ほとんど正面から計画通りにネットインでき,そのきれいな魚体を見ることで,満足感がにじみ出てきます.
88㎝ですが,私の今年の平均サイズですね.手際よく鯉を傷めずリリースして,年内の地元河川,櫛田川での最後の釣行を終えました.次は,大型狙いで遠征を考えています.