異常ともいえる高温の今年の夏は、従来のポイントでもその影響を受けて、従来とは違った様相を呈しているようです。余呉湖も例外ではなく,この時期例年だとある程度の鯉の動きや釣果も期待できるのですが,今年はこれ迄のデータからの予想が役に立たない状況です。
日中の暑さを考えると、余呉湖しか釣り場がないとも言えるようなこの時期,昼間は余呉湖の木陰を頼りに、夜から早朝の当たりに期待しながらの今回の釣行でした。昼過ぎ迄仕事を片付け午後4時に自宅を出発するも,10分程車を走らせた時に,気がつくと、ロッドを積んでいなかったことに愕然となり,引き返すことになる。ロッドを忘れることは,これ迄も1,2度あり、自分でも呆れてしまいます。今回の釣行では、最近使っていなかったロッドを使う為に積み替えをする予定が忘れていたのでした。前回の釣行でも当たりが貰えなかったので,気持ちを切り替える為にロッドを替えて丁寧な釣りを心掛けてみようと考えていました。遠投ができるロッドでもあるのですが、私の場合は、ロッドを変えることで気持ちもリフレッシュできる事が多く,今回もそんな気持ちのリフレッシュに期待しての余呉湖でした。
日曜日だったので,高速料金の割引を考え伊勢道から東名阪、新名神の土山IC迄行くことにしたが,不安が的中して,東名阪の渋滞に遭遇することになった。予定より20分程余計に時間がかかって、土山ICで降りて,地道を八日市迄走り,名神に。そこから、米原まで名神を走り,米原で北陸道に。20分程で,木之本IC。料金所を通過して,いつものコンビニで,氷と飲料水、食料を購入。この時期は板氷をまず購入して,ぶっかけ蕎麦、うどんとサンドイッチ、麦茶2本等、とりあえず一日分を購入する。これらを用意してきた発泡スチロールのクラーに入れる。このクラーは安くて,保冷も良いので,最近はよく使うアイテムです。コンビニから余呉湖迄は,車を電気のチャージモードで走る。10kmほどのチャージができ、クーラーがエンジンを切って使えるので,PHEVのありがたさを味わえます。
余呉湖に着くと、T氏がキャンプ場のポイントで昨日から入釣しておられたので,様子を聞くことに。20分程話を聞きながら、予定をしていたポイントに入る。今回は3本のうち2本の竿には発砲一本針仕掛けで粉餌を使ったダンゴ仕掛けで様子を観ることにします。セットし終わった時には,すっかり夜の暗闇が湖畔を覆い,昼間は感じない自然の薄気味悪さも感じられます。車の中は,静かにクラーの効いた空間で,食事をして、持参して来た本を読みながら、微かに当たりの期待をしながら、時間が過ぎていきます。
いつしか、横になって眠りに陥っていたのでしたが、突然のバイトアラームの音で目が覚めます。時計を見ると丁度0時です。釣り座にネットとマットを持って急ぐと、当たりの有った竿は発砲しかけのダンゴ餌の方で,余呉湖の鯉らしく,おとなしくネットインです。大きさは80cm位ですが,なかなか当たりが貰えない時期の貴重な一本で検量写真は明るくなってからとライフネットに入れてキープしておきます。喰って来たのが,ボイリーではなくダンゴ餌の方とは。しかも餌を打ってから5時間程経ってからの当たりで,ダンゴ餌がまだ残っていたということは、鮒等の数も少ない感じです。今回は,竿を3本出していて,2本はボイリーとダンゴ,捨て竿としてのもう一本には離れたポイントにこれもダンゴという状況です。餌を打ち替えて、また車で朝迄静かに当たりを待ちながらの睡眠でした。明るくなって来た5時には目が覚め,清々しい空気を感じるこの時間帯がこの時期の気持ちのいい空気が吸える時間帯です。ゆっくり食事を取りながら当たりを待つこと一時間,時刻は朝の6時に捨て竿の方のバイトアラームがなり、しかしその鳴り方から鮒の当たりです。上がって来たのは30cm程の真鮒でした。これは餌を打ってから10時間以上経って空の当たりで,予想外に遅い当たりというか,10時間以上も経ってからでも餌が残っていての当たりに驚きを禁じ得ません。その後、2匹の鮒が釣れましたが、そのうちの一匹は余呉湖の固有品種の鮒のようでした。
今回のタックルは,
竿:UkDaiwa basia AGS 12ft 3lb 3本
リール:UkDaiwa tournament iso 5000QD
道糸:フロロカーボン4号
ハリ:ボイリー仕掛け:ダウンアイ4号 発砲仕掛け:管付きソイ18号
餌:ボイリー:クリル20mm,15mm ワフター ツナモルツ20mm ワフター ナッツエナジー20mm ワフター 龍王
PVA:ツナモルツ20mmとクリル15mmを5個
発砲仕掛け:大ゴイ研究所の高橋氏の仕掛けとほぼ同じ
7時過ぎにT氏が散歩がてらに寄って話しをしながら、写真を撮ってもらいました。
朝の気持ちのいい時間帯に,T氏との鯉釣り談義は釣れてもつれなくても、釣りの時間の中でのある意味最も楽しい時間です。その後,T氏は仕事が有るので,9時過ぎに余呉を後にしましたが,その後は当たりは期待できずに本を読んでるだけの時間になりますが,このところ読んでるのは加藤周一の著作集です。中学3年の時に加藤周一の「羊の歌」を岩波新書で読んだものの、当時の読んだ内容に関しては全く覚えていなくて,先日読んだ,「私にとっての20世紀」が面白くて,新たに「羊の歌」を買って読んでいるところですが,今読み返してみて、よく内容がわかることを発見しました。前回の余呉の釣行の帰りに、少し時間をゆっくり取り,湖西を下って京都へ行き,丸善で加藤周一の著作を5、6冊に買って来てこの夏の読み物として考えています。中学3年の時のこと等が走馬灯のように思いだされ,仲が良かった今は天国にいる奴のことを思いだしたりしたのでした。余呉の木陰で一応当たりを待ちつつ、本が読めるのが今の自分に取っては最高のひと時です。
話しを釣りに戻すと,当たりが遠いので,喰わせ餌は昼間は15mmのワフターで、夜は20mmのワフターにして,フィーディングは少なく,丁寧に辛抱強く待つこと、正確なキャスティングを心掛けて遠投しての深場狙いです。夕方に餌を打ち返します,夜から朝の時間帯を意識しての餌交換です。昼間の疲れからか,早めに眠ってしまい、夜中の11時頃に目が覚め、また眠ってしまって熟睡していたときに、またバイトアラームの音で目が覚めました。時刻は夜中の2時です。鯉の当たりだとすぐにわかる音が受信機から聞こえています。ずーっと走っているらしいその音に期待しながらネットとマットを持ちながら釣り座へ。リールからは糸がずーっと出ています。もう100m以上は走っていると思われます。ゆっくり竿を持ちドラッグを占めながら穂先を眺めて鯉の動きを感じます。距離が出ているので,糸の弾力で鯉を止めることができます。ということは、大型ではないことは明らかか。少し残念さを感じながらも漆黒の闇の中で穂先を照らすヘッドライトの灯りの先の湖面を眺めながらポンピングをゆっくり繰り返しながら寄せに入ります。40m程の距離に来た時に抵抗しながら走り出すものの、大型ではないことがだんだんと明らかになりつつ、湖面を眺めています。ヘッドライトに照らされた湖面に白く魚体が現れ、藻が絡まって少し重量を感じながらも藻に隠れる程度の大きさに無念さを感じつつも、ここでバラしたらと慎重にやり取りしながら、ネットイン。今回もライフネットにキープして朝の検量と撮影を待ちます。
前日のとは体型も違って、よく走った鯉であることを窺わせる体型です。
朝の9時半には納竿してゆっくり家路につきました。何とか当たりは貰ったものの、厳しい状況に有ることは確かです。次回はサイズアップに期待したいが、果たしてどうなるか。