ほんとっ、お芝居は楽しいと思う。
ちょっと前になるけど、
お盆の中日、15日に風間杜夫の一人芝居『ピース』を観てきた。
知り合いから回ってきた、ただチケット。
こんなうれしいことはない。
ということで、いそいそ出かけた池袋。
内容もよく知らなかったけれど、
風間杜夫の一人芝居はおもしろいらしいという評判は聞いていた。
小さいホールだけど満員の盛況。
そんななかで幕は上がり、
お葬式の司会を、風間杜夫演じる中年男がやっていました。
「亡き人が好きだった歌を流します」といって流れた曲に合わせ
身をよじるように歌い始める司会者。
そして涙ながらに語る司会に…思わず笑ってしまう。
そう、これは喜劇・コメディなのであります。
おかしかったー。
ひとり芝居とはいえ、何人の登場人物を感じたことか。
冒頭の部分ですでに、葬儀の参列者や葬儀スタッフの妻や娘。
何十人かがイメージされる。
たった一人なのに、相手との会話を、まるでやりとりしているように
すすめていくあたり、水谷龍二さんの脚本もうまいのだろうし
風間杜夫もすごいと思う。
やがて妻と娘を突然の交通事故で亡くし、やさぐれる男。
難民申請中のパスポートを無くしたシリア人がバイトする居酒屋で管を巻き
若者とけんかになって警察のやっかいになり、大怪我をした男。
公演のベンチでハトに餌をやり、
なんかかんか言ってるうちに突然苦しみだして行った先は三途の川。
その川をわたる途中で船から落ちたり、
川の向こうでは、田中角栄やら、西城秀樹やら、歌丸さんまで登場し
(イメージだから)
YMCAの歌に合わせて踊る男。
挙句の果てに閻魔様の前で一芸を披露せよということで
手品をやるけど、見事に失敗…
鐘一つ。カーン。
はい、地獄行きー。
というところで「まだ、こっちにきちゃいけない」という妻の声がして
生き返った、
なんてはちゃめちゃな展開だけど、
面白い。
最後はこの中年男の生前葬のシーン。
風間杜夫、歌います!!
そして植木等の「ハイ、それまーでーよ」でジャンジャン
と最後までまったく飽きさせない演技力はすごい。
けっこうな年になっていると思うけど、
舞台狭しと動き回り、歌も殺陣も、ちょっとした踊りもありーの
エンターテイメント。
何回笑ったかなー。
『ピース』というタイトルの通り、
そういう下町あたりの人々のやり取りのなかで
平和な世の中を守らないといけないというメッセージが
伝わってくる。
キャッチフレーズは
「喜劇は世界を平和にする!!」
ほんとに、みんながお互い笑いあえたら、平和な世の中になるかも。