@サラ☆
池袋の東京芸術劇場で、野田秀樹作・演出の『THE BEE』を観た。
「とんでもないものを観た」というのが劇場を出るときの気持ち。
すごかったという意味だけど。
阿部サダヲの身体能力の高さ、コミカルさと狂気を演じる存在感、
長澤まさみのキレのある演技
たまに現れる、不気味な羽音をたてる巨大な蜂が、シュールさを際立たせる。
10秒に一度何かが起こり、事態はどんどん変になっていく。
見る方はそのスピード感に飲み込まれ、あれよあれよの75分だ。
妻と息子を人質にとられた平凡なサラリーマンが
犯人を説得してもらおうと、その妻の家に行き、
そこで人が変わったように変貌を遂げる…
なんとまあ。
↑ この写真はhttps://spice.eplus.jp/articles/294655より拝借しました。
巨大な白い紙を背景の壁と床に敷き、その中で行われる場面転換。
どうしてこんな演出を思いつけるのか。
スゴイと称賛するけど、悔しいような。
野田秀樹さん自身、こんなふうにこの芝居のことを語っています。
野田マップ『THE BEE』ホームページには…
2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件に触発された、野田秀樹が、筒井康隆の小説『毟りあい』を題材に、ロンドンで現地演劇人とワークショップを積み重ね、書き下ろした英語戯曲『THE BEE』。
初演は2006年のロンドン。2007年には東京で日本語版が初演され、これまでにNY、香港、エルサレム、パリなど10カ国14都市で上演、各地で称賛されてきた『THE BEE』が、新キャストを迎えて2021年秋、日本に帰還する。
テーマは報復と暴力の連鎖ということになるかなー。
小劇場スペースのシアターイーストで観た『THE BEE』は、
とてつもない芝居だった。