「年末に第九」
恒例行事としてテレビのニュースにもなる。
友人のひとりも毎年、年末の第九演奏会で合唱を歌うのだと言っている。
なんだよ。
「年末に第九」って、文化人っぽいじゃないか。
なんて、いつも傍観していたのだけど、
今年はゴローちゃんの芝居「No.9──不滅の旋律」を見たもので
そのノリで、
年末の「第九」を聞くことになった。
予習らしきこともせずに行ったコンサート。
指揮者のクリスティアン・バスケスという人が手を振り上げて始まった第一楽章の演奏は
意外にも耳になじんだものだった。
そうか、高3の誕生日に友人がプレゼントしてくれたLPレコードが
ベートーベンの第九だったっけ。
何度も聞いたのに。
特に3楽章が好きだったことを思い出した。
というわけでけっこう、というか、思いっきり楽しんだコンサート。
この日の演奏は炸裂するスピード感で
聴き手を突き上げるような迫力だった。
4楽章は『合唱』
ソプラノ、アルト、テノール、バリトンの歌い手さんたちの
お腹の底から歌い上げる力強い調べに包まれ
感動したのだった。
「絶望を突き抜けて歓喜にいたれ」でしたっけ?
いろんなことのあった1年だったけど
ここで音楽とともに気分を仕切りなおして、新しい年を迎えようではないか
という意味合いが年末の第九にはあるのでしょう。
コンサートを聞き終わったあと、
すごくいい気分になって、だから第九なんだと納得した。
来年も年末には第九のライブ演奏に包まれたい。
年末の第九、すごくいい。
下の第九の演奏は
1968年01月03日 ベルリンフィルハーモニーホール ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ベルリンフィルハーモニー管弦楽団