加賀ゆびぬきというのは、石川県金沢市に古くから伝わる手工芸の品。昔、加賀友禅のお針子さんたちが、余り糸を使って仕事用にゆびぬきを作っていたのが始まりで、いまに伝わっている。 その幾何学模様が美しい。何百色もある糸から数色を選んで、かがっていくと、ほら、こんな模様ができあがる。 このゆびぬきのテーマは「赤い薔薇」。 緑の糸がバラの茎と葉っぱを表現している。 素敵でしょう? 図案は何百種類もあるそうだが、このゆびぬきは、作り手オリジナルのデザイン。 もらったのだ。 こういうものを手づくりしている人もとても素敵だし、もらう自分もまんざらではないと思ったり。 モノというのは、そう思わせてくれるパワーがある。 手づくりのモノには、それをつくるのに要した時間と、優しい気持ちがギュっと固定されている。 優れた「モノ」には、美しさや気品、深みがある。 そんなわけで、毎日このゆびぬきを手にとっては嬉しがっているのだ。