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ジャネット・イヴァノヴィッチ作 細美遥子訳 扶桑社ミステリー文庫
ご存知、ステファニー・プラム・シリーズの9作目。
えっと、ご存知ない方のほうが多いでしょうか?
なんと、もったいない。
こんな面白い本、めったにないのに。
ちょっとした下ネタくらいびくともしない、という鷹揚な人なら、ぜったい笑えます。
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日本の編集者がつけた、ぬきさしならなくなって、低レベルのギャグをかましたあげくのタイトルです。
イヴァノヴィッチは、「One For The Money」
「Two For The Dough」
「Three To Get Deadly」……
「Hot Six」
「Seven Up」
「Hard Eight」と数字の順に、洒落たタイトルをつけているのに、日本の編集者が、第一作を「私が愛したリボルバー」としたものだから、なんだかおかしなことに。
第六作は『わしの息子はろくでなし』
第七作は『怪傑ムーンはご機嫌ななめ』
第八作は『やっつけ仕事で八方ふさがり』
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第九作の原題は「To The Nine」
とてもシャープでいい感じですが、この原題をいかしきれてなくて、哀しくなる愛読者がどれだけいることか!
(もっとも、次はどうくるか、と身構える楽しみはあります。)
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キャハハと笑って、ハラハラして、たまには胸がギュッとなったり、悶絶したり。
そりゃあ、愉快な時間を過ごせること請け合い。
順番に読み進むのが、シリーズを楽しむ王道です。ぜひっ