サラ☆の物語な毎日とハル文庫

小説『オリバー・ツイスト』は映画よりもずっと面白い

『オリバー・ツイスト』。またたくまに読み終わりました。
良質のミステリーを手に取ると、誘い込まれて、ぐいぐいと最後まで読み進むのと同じで、そういう吸引力のある小説でした。
クラシックな領域に、こういう類の小説がいくつも埋まっているのかもしれません。

役者のあとがきによると、ディケンズは、1812年のナポレオンのモスクワ遠征の年に生まれ、1837年、ビクトリア女王がイギリスの王位についた年に、処女作の『ピクウィク倶楽部の記録』を書いたのだそうです。
そして、その翌年、1838年、ディケンズが26歳で書いたのが『オリバー・ツイスト』でした。

特徴的だなと思うのは、登場人物、とくに教区吏という役職につくバンブル氏など、いわゆるお役人の人物造詣がかなりデフォルメされていること。
オリバーを助けた富裕な人々が、オリバーの父親の親友だったり、実の叔母さんだったりと、できすぎのストーリーなこと。
でも、コミックの洗礼を受けた私たちには、そんなのどうってことないです。
充分に違和感もなく楽しめます。

訳者の中村能三さんは1953年に発行された新潮文庫のあとがきで、「イギリスは女王時代に繁栄する。エリザベス朝にシェイクスピアを生み、ビクトリア朝にディケンズを生んだ。現在はエリザベス二世の時代。いかなる偉大な作家が現れるのだろうか」と書いています。

それから50年が経っています。
ちょっと考えたけど、偉大な作家というのはビートルズかな。
作家じゃないけど、シェイクスピア、ディケンズと並び称するには、ビートルズしか思いつきません。
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