まさか『赤毛のアン』が日本のテレビドラマに登場するとは…。
ところが、翻訳者村岡花子さんの半生という形で登場し、半年間、すっかり楽しませてくれた。
最後は『赤毛のアン』を出版する会社の社長役で茂木健一郎さんも登場し、大変愉快だった。
その茂木健一郎さんが、午後の対話番組で言っていたことが印象的。
「『赤毛のアン』って、自分の赤毛が嫌いなんですよ。
ギルバートってアンと結婚する人は、“赤毛の”アンが可愛いって、大好きなんですよね。
つまり、自分の欠点って、意外に他人から見ると魅力だったりするんだけれど、それに気づかない。
『赤毛のアン』はそういう大事なレッスンも教えてくれる」
と述べておられた。
なるほど、私も村岡花子さん同様、アンが嫌がっている「赤毛」をタイトルにもってくるなんて、とちょっと憤慨していたのだけど。
「魅力」なのかと納得。
そして、『赤毛の』アンでいいんだと、タイトルに対する不満を、ここで解消したのである。
最終回、昔からお世話になっている編集者が出版記念パーティで祝辞を述べる。
「ルーシー・モンゴメリというカナダの作家と村岡花子くんは映し鏡のように重なりあうんです。
ありふれた日常を輝きにかえる言葉が散りばめられたこの小説は、まさに非凡に通じる洗練された平凡であります。
必ず時代を超えて読みつがれるベストセラーとなることでしょう」
この台詞は脚本家の中園ミホさんが考えたものだ。多分。
中園さんは『赤毛のアン』をほんとにうまく取り入れて、面白いドラマに仕立て上げた。
才能ある、いい脚本家だと思う。
この編集者の言葉は、なかなか面白い。
洗練された平凡。
そうかな、とも思うし、少し違うかなとも思う。
村岡花子さんは洗練された平凡かもしれない。
モンゴメリは、非凡だろう。天才的だと思う。
洗練された平凡なんて評価されるから、モンゴメリは自分の作品に満足できなかったのではないかな、と思ったり。
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