吉田篤弘の『モナ・リザの背中』という小説に出てくるのが、この「荒野のベーコン醤油ライス」らしい。
なんともそそられる料理名。
で、その作り方が展覧会で配られた「月下密造通信」という号外に載っている。
「刻んだベーコンをフライパンで炒め、醤油をまわし入れて、レモンを絞る。これを炊きたての白い御飯と混ぜる。御飯は炒めない。仕上げにあさつきを刻んでふりかける」
おなかがグウとなりそう。いや、思わずヨダレが……。
これ、絶対に美味しいに違いない。
料理にまつわるレシピがうまい(上手な・つまり面白い)物語・小説の中に出てきたら、思わず食欲をそそられる。(美味しそうに書かれていれば…だけど。)
料理のレシピは想像力をかきたてる。
だから、料理を中心にした番組、ブログなどは人気なのだろうなぁ。
食欲は最大の人間の欲望だから。
美味しいものを食べれば幸せになれる。
阿川佐和子さんは、「人生最後に残るのは食欲だ」と豪語しておられる。
食の世界と言うのは、人を限りなくひきつける。
NHKの朝ドラ「ごちそうさん」が高視聴率を稼いだのも、間違いなく「食」を最前列に押し出したからだ。
いわしのエスカページュ、魚の粕漬け、牛筋カレー、柿の葉寿司、スコッチエッグ…、ほら番組で出てきた料理名がぽんぽん出てくるもの。
番組の筋のほうは、すでに忘れかけているのに。
そうそう、和江さんの“いけず”の数々も印象深いけど。
話はそれたけれど、とにかく、物語の中の食事は人の想像力をかきたてることを言いたかったんだ。
P・L・トラヴァースも『メアリー・ポピンズのお料理教室』という本を晩年に出版している。
さてさて…である。
メアリー・ポピンズはとても料理上手には見えないのだけど、どんな料理が紹介されているのか。