新国立劇場の小劇場でシス・カンパニーの「ワーニャ伯父さん」を観た。
久しぶりのお芝居はやっぱり楽しい。
ロシアの作家・脚本家アントン・チェーホフの作品で、
上演台本と演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ。
ということは、ちょっとひねった演出になるのか、
ストレートな演出なのか興味深いと思っていた。
観た結果は、「ワーニャ伯父さん」は初めて見るので、他と比べようがないけれど、
きっとストレートな演出だったのだと思う。
段田安則さんがワーニャ伯父さん。
後妻エレーナに宮沢りえ。
ワーニャと暮らす姪のソーニャに黒木華という配役。
長い年月を世界的に親しまれてきた作品だけあって、おもしろい。
もともとの作品は暗いトーンだと思うけど、
演出が小気味いいので、沈んだ感じはない。
最後にソーニャが伯父のワーニャを慰めていうセリフが心にしみた。
現代に生きる自分としては違和感が少しあるんだけど……。
なんにしても美しいセリフとして有名なのだそうだ。
「仕方ないわ。生きていかなくちゃ…。長い長い昼と夜をどこまでも生きていきましょう。そしていつかその時が来たら、おとなしく死んでいきましょう。あちらの世界に行ったら、苦しかったこと、泣いたこと、つらかったことを神様に申し上げましょう。そうしたら神様はわたしたちを憐れんで下さって、その時こそ明るく、美しい暮らしができるんだわ。そしてわたしたち、ほっと一息つけるのよ。わたし、信じてるの。おじさん、泣いてるのね。でももう少しよ。わたしたち一息つけるんだわ…」