美輪明宏さんのコンサートに行ってきた。
83歳だそうだ。
友人らに誘われ、ついつい深みにはまってきた美輪ワールド。
ベンチや椅子が舞台にしつらえてあり、
ときどきさりげなく座って歌う。
ユーモアと少々の毒舌が混じった話りで、つないでいく語りと歌のコンサート。
あの毒舌が好きだ。
以前、「ラップ」のことを「あんなの豚のいびきよ」
と言っていたのを聞いたことがある。
昨日は「耳からうんこを食べているみたいだ」と酷評。
お嫌いなのだな、と可笑しかった。
「ラストダンスを私に」の歌の前振りでは、
「男はおいかけちゃいけません。
自分が追いかけるのが好きですからね。
あっいいな、と思っていいた女の人でも、
その人が自分から好きよなんて言ってきたら、
途端に冷めてしまう、というのが男です。
だからね、みなさん、追いかけるんではなく、
追いかけさせるように仕向けたほうがようござんすよ。
まあ、そう構えていて一生独身でした、という場合もあるでしょうけど」
ワハハハハッ
みんな食い入るように聞いているんだから、大声じゃ笑えないけれど、
小さい声で笑いました。
「ラストダンスは私に」は越路吹雪が歌った岩崎時子さんの訳詩が有名だけど、
美輪明宏の歌は自身が訳したもの。
より忠実に男と女の駆け引きが盛り込まれ、前振りの話と合わせて納得だった。
素敵な歌だった。
アンコールは「愛の賛歌」。
金色の紙吹雪のなかで、まるで女神像を見ているような気がした。
やっぱり美しい。
もちろん元々美しいのでしょうが、それよりも何よりも美しさをみなぎらせて、
見る人をフワッとした気分にさせる演技力がすごいと思ってみたり。