バイク・キャンプ・ツーリング

NERIMA爺、遅咲きバイクで人生救われる

1998年7月30日 北海道ツーリング 33日目

2025年02月24日 | 1998年 北海道ツーリング
7月30日(木)  糠平キャンプ場連泊


 

   7時には起床。
 昨日は、寝しなにだれかがものすごいイビキをかいていたと外でしゃべっている。どうもこっち方面(自分のテント方面を指している)が怪しいと、みんなでワヤワヤ言っている。すいませーん。もちろん、それは自分以外にありえない。酔って、横になったらすぐに意識がなくなると、親しい友人からはワザと言われている。ただの睡眠時無呼吸症候群の予備軍だ。
「いやあ、なんか昨夜はうるさかったすねえ」
 と、早速、自分も外に出て、適当にごまかす。犯人はダレだというタダならぬ雰囲気が漂っている。オレでした。すみませんとは言えない。顔が引きつる。どっちみち、連泊するつもりだから明日の朝にはばれるだろう。もう流れでそう言うしかない。明日まで延命策だ。
 焚き火をしていた場所で、三々五々、朝食をしに集まってくる。ZRX1100のライダーはグリコ・ジャイアント・コーンを「これが朝食」と言って、うまそうにパリパリ囓っている。彼は昨夜、酒もしこたま飲んでいたようだが……。う~ん。いろんなやつがいて面白いなあ。 

 10時には十勝三股の永久凍土のガレ場に出発。昨日見た喫茶店のような店は「三股山荘」というらしい。そこでもう1度、詳しい場所を訊く。5、6キロほど山の中にいく狭い林道の終点がガレ場らしい。そのまま、ガレ場に向かう。そのあたりにヒグマが出没したという話を聞いていたので、ときおりクラクションを鳴らしたり、エンジンの空ぶかしをする。行き交う車やバイクは1台もない。もし、クマに出会ったらUターンするのも難儀な林道だ。

 ガレ場はそれこそ、エンジンを切るとシーンとしている場所だ。小川のせせらぎが微かに聞こえる。ここから先の道は背の高さほどのクマ笹(チシマザサか?)に覆われた藪になっていて、バイクで進むのはとても無理、歩きでどうぞというような獣道だ。積み重なったガレ場の石は平べったく、規則的に割れたようになっている。崖下の石を数個横にどけると、永久凍土の冷気がすうっと感じられる。この場所ではほとんど見なくなったらしいが、こういうところにナキウサギがいたようだ。写真を4、5枚写す。結局、ガレ場までの往復、1台の車ともバイクとも出会わず。

 帰りにもう1度、三股山荘に寄る。
 店内には古い型のディーゼル車や駅舎の写真が店内に貼ってある。店の前をディーゼル気動車が走っていたらしい。カレーを食べ、大雪山の自然に関する本を2冊ほど購入。近場で拾ったというシカのツノも売っている。このあたりでは雪解けの春先にあちこちに落ちているらしい。山荘をあとにして、糠平を通り過ぎて上士幌町のナイタイ高原牧場にいき、話のタネにソフト(300円)に牛乳(150円)を飲む。手作りの期間限定のバターがあったので東京に送る。発酵バター1個と手作りバター2個がセットになって2000円で、送料が1350円。しめて3350円のバターとなる。牧場としてはここは日本一の広さがあり、バイクで目いっぱい周囲を走っても30分はかかる。
 しかし、気持いい。

 存続か中止かで揺れている士幌高原道路をいけるところまでいってみる。曇っていて景色がいいとはいえないが、立ちはだかっているこの山を削って道路をつくってしまうのかと、自分もここまで走ってきながら感慨に耽る。環境破壊を説いて回る当の本人がガソリンエンジン車の上で演説しているようなものだ。
 トムラウシ温泉にいくつもりだったが、時間の余裕がない。手前の「くったり温泉」に浸かることにする。りっぱな温泉施設で、宿泊もできるようになっているようだ。サウナも付いて(北海道では当たり前か)、しかも露天風呂ありで350円は安い。泉質が2種類もある。泉質説明にはトムラウシ温泉とくったり温泉とあった。トムラウシは上流のトムラウシ温泉と同じ泉質なのだろうか。よくわからない。

 帰り、然別湖あたりでは雨。糠平近くで曇り空となる。時刻は6時過ぎ。夜はビール2本、ワイン1本、豚ショウガ焼き、ワカメみそ汁。また、5、6人で焚き火をしながら飲む。セロー乗りのHさんというライダーも同じ店で購入したショウガ焼きと同じ銘柄のワイン。昨日も一緒に焚き火をした鈴鹿のオフ車ライダーから、産地で格安で手に入れたという富良野のメロンを1個丸ごとご馳走になる。彼はバイクのシートにメロンを4、5個詰めた段ボール箱を積んで帰ってきている。何回食べても、食べ頃で収穫されたものは瑞々しくて美味い。ワインのつまみとしても合う。ごちそうさまでした。こちらからなにも提供できないのがつらい。
 ラジオでは和歌山の毒物カレー事件の続報などをやっている。