夢…

将来の夢について、少し考えさせられることがあります。
それは、その人物の住んでいる地域・家族・生活の環境で将来の夢は限定されてしまうかもしれないということです。
例えば、プロの音楽家になりたいと思ったとして、音楽家になるための的確な本当の指導をしてくれる先生、プロと身近に接することのできる多くのチャンス、レッスン・練習するためのレッスン室・スタジオ、一流の演奏が頻繁に行われる様々なタイプのコンサートホール、楽観的考えを安易に生むことを許さない勝負の場、音楽家に対する正しい知識と理解、そして家族の様々な面での理解と協力（軍資金なども）などが整っていることが大切です。
音楽の世界に限らず、それは様々な分野でも同じことが言えます。例えば、スポーツの分野で、プロ野球の試合が行われる球場が身近にあり、頻繁にプロ野球の試合を実際に観戦でき、肌で感じることができれば、野球少年たちは「自分もプロ野球選手になれるかもしれない」と容易に夢を抱くことができると思います。
このように考えると極端に言ってしまえば、田舎は様々な夢を思い描くための要素が少なく、あまりにも不利な条件にあると私は考えます。（もちろん環境が整っている田舎もあります。）だから、「好きな夢を抱きなさい」と安易に言うのは難しいのです。特に学校の教員は無責任に言ってはいけないのです。もしそのようなことを言うのであれば、ある程度の環境を整えてから言うべきなのだと私は考えます。
「環境は人を育てる」という恩師の言葉を私はよく思い出すのです。
もちろん現状を把握・認識した上での本人の努力は絶対に必要なのですが、環境もその人物が自由に将来の夢を思い描くための重要な要素であると私は感じています。