皆さん、こんばんは。
プロ研修講師・プロコンサルタント・中小企業診断士の青木公司です。
本日は辛口の記事「中小企業診断士試験!超簡単一次試験42.5%!この結果がもたらす大きな弊害」についてです。
今年の令和2年の一次試験の結果が発表になりました。
なんと42.5%です。
去年の30.2%の超緩い一次試験の結果をはるかに上回りざるのような一次試験結果になってしまいました(泣)。
メリットとしては多くの人がこの簡単試験のおかげで一次を通過できたこと。これはよかったことでしょう。
しかし、中小企業診断士という資格を考えた場合には大きな弊害もあると思います。
ディスっているのではなく本気で心配しています。
その可能性をふれてみます。
1. 中小企業診断士資格が超簡単な資格とマイナスブランディングされる。
青木が合格した平成16年は一次試験15.7%、二次試験20.2%でトータル3%しかうからない試験でした。
その難易度の高さは中小企業診断士の資格を取得する価値を高めることにつながっているメリットもあったと思います。
それが42.5%となると一次試験の段階で三倍近く簡単ということになるので、二次試験が同率の合格率だと、圧倒的に簡単な資格になったと言われてしまい、診断士の資格価値が落ちることにもなるでしょう。
2. 特に養成課程のことを考えると唯一の試験である一次試験が超簡単試験ではスペックが担保できない。
特に養成課程にいけば、この一次試験さえ通過していれば二次試験が免除になるのです。たった45.2%の簡単な一次試験を通過しただけでは、資質が十分かどうかという事に疑問符が付く可能性があります。
試験の難易度の差があるとしても3級簿記ですら10年間の平均合格率は40%ですので、そんなもんであとは学校に通えば、合格できる程度の資格と揶揄されていくのは、この資格、仕事に誇りを持つ自分としては本当に残念です。
青木は養成課程は、法律で決められて、存在意義も国が認めている以上、当然、ありの資格の取り方と思います。
そのためには、一次試験の難易度は、青木が受かった時のように15.7%など、一定の難関資格としての最低限の合格率で難易度が無いと資格の価値が低く見られる可能性もありますし、毎年、毎年、合格率が目一杯ばらつくのでは、まずいと思っています。
3. さすがにこの状況を見て、二次試験の難易度を目一杯上げる可能性もある。
平成13年の今の新制度移行時に、一次試験の難易度調整がわからず、一次試験の合格率が50%というとんでもないざる試験になったことがあります。
その時は二次の合格率を10%にして調整していました。
今回も、一次試験が45.2%というとんでもない合格率になったため、二次の難易度を一気に上げる可能性があります。
10-12%くらいの二次合格率になる可能性もあると思います。
そうすると、試験組の人は通常なら受かる二次力がありながら、合格できない人もでてくるでしょう。
例年なら合格する一次力、二次力で合格できない。本当に不幸なことですし、本来、診断士になれるスペックの人が合格できなくなるのは大変残念です。
一方、養成課程だと45.2%に入れば、養成課程で資格取得できるので、その差が大きくなってしまいます。
新制度になったばかりとかではなく、もう、今の制度になって、20年近くたちます。
一次試験の難易度調整は、本来、もっとしっかりできないといけないと思います。
せめて一次合格率を15ー23%の枠に入るくらいで調整し、残りは二次試験で調整し、最終合格率を3-5%くらいの幅に収める。
上位何パーセントとか、何人合格させるという試験にすれば、適切なレベルのスペックの中小企業診断士を輩出していくことはできるはずです。
そして、それが、中小企業診断士の資格の価値の一部を高めることができると思うのです。
もちろん、一番は多くの中小企業診断士ホルダーが仕事で成功し、活躍する。
合格しても学び続け、高め続ける。
それこそが最も重要とも思うのです。