物語において、キャラクターの「コンビ」というのは結構重要だ。
ひとりひとりのキャラクター性ももちろん大事だが、二人一組のコンビを組むことによって
キャラクターやストーリーの面白さが相乗効果で二倍にも三倍にも増幅するのである。
信頼のおける友人同士、仕事上のよきパートナー、戦場で遭う宿命のライバル、恋人同士・・・
どんな関係でもよい、二人が組み合わさることによって物語が盛り上がれば、
その二人は「コンビ」と呼べる。
今回は、物語中のいろいろなコンビを取り上げて掘り下げてみる。
勇者と魔法使い のコンビ
まずは、勇者と魔法使いのコンビを紹介。
剣と魔法のファンタジー物語においては定番のコンビ。
剣で近接戦闘を行う勇者と、それを魔法で補助する魔法使い、というのが基本スタイル。
漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】
勇者ダイ(画像右) & 大魔導士ポップ(画像左)
【ダイの大冒険】よりこの二人を紹介する。
このコンビは、なんといってもその「友情」が最注目ポイント。
二人とも勇者アバンに師事し、その修行の辛苦を共にすることで絆を深める。
最初の頃、ポップは「逃げ出し野郎」といっていいほどのヘタレであり、
ダイを見捨てて逃げ出すという場面がちらほら見受けられた。
とても名コンビとはいえなかったが、さまざまな試練が二人を名コンビへと変えていった。
とくに、ダイが敵の精神攻撃で記憶を封じられたとき、ポップとの友情が
ダイの記憶を蘇らせる場面は涙なしで読むことが出来ない。
そうした友情エピソードの積み上げの上で、大魔王との最終決戦において、
大魔王の「天地魔闘の構え」を破るために自分がスキをつくるというポップ。
スキなどできるはずがない、と自信満々の大魔王にダイが言うセリフが二人の関係を象徴している。
「こいつがスキを作ると言ったんだから絶対にスキは出来る!」
「それを信じておれは全力を高めておくだけだ!」
実際、ポップは大魔王の天地魔闘の構えを破り、ダイの会心の一撃が大魔王に炸裂することとなった。
漫画【魔法陣グルグル】
勇者ニケ(画像右) & グルグル使いククリ(画像左)
勇者と魔法使いのコンビとしては、この二人も紹介しておきたい。
前述のダイとポップが、「魔法使いがサポートし勇者が攻撃」というスタイルだったのに対し
この二人は完全に逆。
ニケが身体を張って敵を食い止めている間にククリが魔法陣を描いて攻撃というのを基本スタイルにしている。
ニケは大して強いわけではなく、たいていは敵にボコボコにされてしまう。
この漫画の見所の第一が「グルグル」という魔法なので、自然と勇者は魔法の引き立て役と
なってしまうのだ。
だが、身体を張って女の子を守るというのはまさしく「勇者」の行動。
それに、グルグルはククリの「ドキドキ感」をエネルギーの源としているので
ニケの存在はグルグルに不可欠である。
最後の魔王ギリ戦では、ククリがニケに告白するために究極の魔法陣を完成させるという
魔王を巻き込んだ壮大なラブラブ作戦を展開する。物凄いコンビである。
双子 のコンビ
続いて、双子コンビ。
これは結構いろいろ挙がると思うのだが、ここではあえて【FF4】のパロム&ポロムを紹介する。
ゲーム【ファイナルファンタジー4】
パロム(画像左) & ポロム(画像右)
男の子(パロム)と女の子(ポロム)の双子。
パロムがやんちゃ坊主で、ポロムが礼儀正しく清楚という性格の正反対っぷりに加え、
パロムが黒魔導士として攻撃魔法を得意とし、
ポロムが白魔導士として回復魔法を得意とするという、ゲーム的キャラ付けも正反対。
いたずらばかりするパロムをポロムが常にしかる、という仲の悪そうな二人だが
「ふたりがけ」という強力な合体魔法が使えたり、
主人公一行が敵の罠にかかり、部屋の両側から壁が迫ってきてピンチ!という場面で
二人それぞれ両側の壁を押さえ、自らを石化させることで主人公たちを救うという
感動的コンビプレーも見せ、見事に名コンビとして成立した。
知略と武勇 のコンビ
知略で戦略をたてる者と、武勇を持ってそれを実行する者のコンビ。
アニメ【コードギアス 反逆のルルーシュ】
ルルーシュ(画像左) & スザク(画像右)
この二人の関係性は少々入り組んでいる。
神聖ブリタニア帝国の皇子・ルルーシュと日本国最後の首相の息子・スザクは幼少の頃親交を深めた。
ルルーシュは運動オンチだが、知略は優れており、チェスでは右に出る者はいなかった。
片や、スザクは超人的身体能力を持っていた。(ルルーシュいわく「体力バカ」)
幼い頃は二人で組んだなら出来ないことはないというほどの名コンビだった。
ところが、ブリタニアによって日本が植民地として占領されてから二人の立場はがらりと変わった。
スザクは日本人でありながらブリタニア軍人となり、ブリタニアを内から変えようとする者となり。
ルルーシュはブリタニア人でありながら、日本のレジスタンスを操りブリタニアを外から破壊しようとする者となった。
物語中盤のある事件により二人の仲は徹底的にこじれるが、終盤にコンビを再結成。
それからの二人の目的に向かっての快進撃はすさまじい。
それまで、人材の不満により効果的に実行されにくかったルルーシュの優れた戦略が、
スザクの武勇を伴うことによって非常に効果的に実行されるようになるのだ。
まさに名コンビ、と視聴者にも思わせる演出も見事!
人間と寄生生物 のコンビ
漫画【寄生獣】
泉新一 & ミギー
脳に寄生するはずが、誤って腕に寄生してしまった寄生生物「ミギー」とその宿主「泉 新一」の異色コンビ。
脳を乗っとれなかったため、寄生されているとはいえ新一の意思はそのまま残り、
ミギーもミギーで独自の意思を持つ。
寄生生物は細胞を硬化させたり軟化させたりできるため、新一の右手はミギーの意思で伸縮したり
刃になったりする。
時折、他の寄生生物との間で戦闘が起こったりするが、その際にお互いに相談し合いながら
戦闘するのが変な感じに面白い。
生物として「生存すること」を第一に行動しようとするミギーと、人間の価値観・倫理観を主張する
新一との間でしばしば衝突が起こるが、最終的にミギーが折れて人間を理解しようとするのもよい。
人間と寄生生物の間の奇妙な友情もまたみどころ。
分類不能
小説【涼宮ハルヒの憂鬱】
涼宮ハルヒ(画像左) & キョン(画像右)
一言で説明できない関係性の二人。
涼宮ハルヒは、宇宙人・未来人・超能力者などの超自然的存在に憧れを持つ少女である。
SOS団という部活動を立ち上げ、常に面白いことを探し求めている。
実は彼女は世界を自由に改変することのできる神のような能力を持っているのだが、本人はそのことに無自覚。
超自然的存在に憧れを抱きながら、実は自分がそうであり、しかもそのことに気付いてないという
変な設定をもとに物語が展開される。
彼女が所属するSOS団の団員は、実は彼女を監視する未来人・宇宙人・超能力者の集まりなのだが
もちろん、彼女はそのことに気付いていない。
そんな中、キョンだけがただの一般人。
しかし、まわりの未来人、宇宙人、超能力者の持ち込んでくるあらゆる騒動に巻き込まれる。
そして、それは大体ハルヒ関係のことであり、ハルヒの能力が暴走することで
異世界に飛ばされたり、時間のループに取り込まれたり、さんざんな目にあう。
自覚のないハルヒに、ハルヒの能力のことを告げるのはご法度である。
そのことが世界にどんな影響を与えるかわからないからだ。
そんなルール制限つきの中、ハルヒとうまく付き合っていかなければならないキョンと
まったく無自覚で世界を改変するハルヒの、なんだかよくわからないコンビなのである。
世界にどのように影響があるかわからないので、常にハルヒの機嫌を気にするキョンが
ハルヒに悪態をつきながらも奮闘する様がみどころ。
現在進行形の作品なので、二人の変な関係がどう決着つくのかが注目されている。
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ひとりひとりのキャラクター性ももちろん大事だが、二人一組のコンビを組むことによって
キャラクターやストーリーの面白さが相乗効果で二倍にも三倍にも増幅するのである。
信頼のおける友人同士、仕事上のよきパートナー、戦場で遭う宿命のライバル、恋人同士・・・
どんな関係でもよい、二人が組み合わさることによって物語が盛り上がれば、
その二人は「コンビ」と呼べる。
今回は、物語中のいろいろなコンビを取り上げて掘り下げてみる。
勇者と魔法使い のコンビ
まずは、勇者と魔法使いのコンビを紹介。
剣と魔法のファンタジー物語においては定番のコンビ。
剣で近接戦闘を行う勇者と、それを魔法で補助する魔法使い、というのが基本スタイル。
漫画【ドラゴンクエスト ダイの大冒険】
勇者ダイ(画像右) & 大魔導士ポップ(画像左)
【ダイの大冒険】よりこの二人を紹介する。
このコンビは、なんといってもその「友情」が最注目ポイント。
二人とも勇者アバンに師事し、その修行の辛苦を共にすることで絆を深める。
最初の頃、ポップは「逃げ出し野郎」といっていいほどのヘタレであり、
ダイを見捨てて逃げ出すという場面がちらほら見受けられた。
とても名コンビとはいえなかったが、さまざまな試練が二人を名コンビへと変えていった。
とくに、ダイが敵の精神攻撃で記憶を封じられたとき、ポップとの友情が
ダイの記憶を蘇らせる場面は涙なしで読むことが出来ない。
そうした友情エピソードの積み上げの上で、大魔王との最終決戦において、
大魔王の「天地魔闘の構え」を破るために自分がスキをつくるというポップ。
スキなどできるはずがない、と自信満々の大魔王にダイが言うセリフが二人の関係を象徴している。
「こいつがスキを作ると言ったんだから絶対にスキは出来る!」
「それを信じておれは全力を高めておくだけだ!」
実際、ポップは大魔王の天地魔闘の構えを破り、ダイの会心の一撃が大魔王に炸裂することとなった。
漫画【魔法陣グルグル】
勇者ニケ(画像右) & グルグル使いククリ(画像左)
勇者と魔法使いのコンビとしては、この二人も紹介しておきたい。
前述のダイとポップが、「魔法使いがサポートし勇者が攻撃」というスタイルだったのに対し
この二人は完全に逆。
ニケが身体を張って敵を食い止めている間にククリが魔法陣を描いて攻撃というのを基本スタイルにしている。
ニケは大して強いわけではなく、たいていは敵にボコボコにされてしまう。
この漫画の見所の第一が「グルグル」という魔法なので、自然と勇者は魔法の引き立て役と
なってしまうのだ。
だが、身体を張って女の子を守るというのはまさしく「勇者」の行動。
それに、グルグルはククリの「ドキドキ感」をエネルギーの源としているので
ニケの存在はグルグルに不可欠である。
最後の魔王ギリ戦では、ククリがニケに告白するために究極の魔法陣を完成させるという
魔王を巻き込んだ壮大なラブラブ作戦を展開する。物凄いコンビである。
双子 のコンビ
続いて、双子コンビ。
これは結構いろいろ挙がると思うのだが、ここではあえて【FF4】のパロム&ポロムを紹介する。
ゲーム【ファイナルファンタジー4】
パロム(画像左) & ポロム(画像右)
男の子(パロム)と女の子(ポロム)の双子。
パロムがやんちゃ坊主で、ポロムが礼儀正しく清楚という性格の正反対っぷりに加え、
パロムが黒魔導士として攻撃魔法を得意とし、
ポロムが白魔導士として回復魔法を得意とするという、ゲーム的キャラ付けも正反対。
いたずらばかりするパロムをポロムが常にしかる、という仲の悪そうな二人だが
「ふたりがけ」という強力な合体魔法が使えたり、
主人公一行が敵の罠にかかり、部屋の両側から壁が迫ってきてピンチ!という場面で
二人それぞれ両側の壁を押さえ、自らを石化させることで主人公たちを救うという
感動的コンビプレーも見せ、見事に名コンビとして成立した。
知略と武勇 のコンビ
知略で戦略をたてる者と、武勇を持ってそれを実行する者のコンビ。
アニメ【コードギアス 反逆のルルーシュ】
ルルーシュ(画像左) & スザク(画像右)
この二人の関係性は少々入り組んでいる。
神聖ブリタニア帝国の皇子・ルルーシュと日本国最後の首相の息子・スザクは幼少の頃親交を深めた。
ルルーシュは運動オンチだが、知略は優れており、チェスでは右に出る者はいなかった。
片や、スザクは超人的身体能力を持っていた。(ルルーシュいわく「体力バカ」)
幼い頃は二人で組んだなら出来ないことはないというほどの名コンビだった。
ところが、ブリタニアによって日本が植民地として占領されてから二人の立場はがらりと変わった。
スザクは日本人でありながらブリタニア軍人となり、ブリタニアを内から変えようとする者となり。
ルルーシュはブリタニア人でありながら、日本のレジスタンスを操りブリタニアを外から破壊しようとする者となった。
物語中盤のある事件により二人の仲は徹底的にこじれるが、終盤にコンビを再結成。
それからの二人の目的に向かっての快進撃はすさまじい。
それまで、人材の不満により効果的に実行されにくかったルルーシュの優れた戦略が、
スザクの武勇を伴うことによって非常に効果的に実行されるようになるのだ。
まさに名コンビ、と視聴者にも思わせる演出も見事!
人間と寄生生物 のコンビ
漫画【寄生獣】
泉新一 & ミギー
脳に寄生するはずが、誤って腕に寄生してしまった寄生生物「ミギー」とその宿主「泉 新一」の異色コンビ。
脳を乗っとれなかったため、寄生されているとはいえ新一の意思はそのまま残り、
ミギーもミギーで独自の意思を持つ。
寄生生物は細胞を硬化させたり軟化させたりできるため、新一の右手はミギーの意思で伸縮したり
刃になったりする。
時折、他の寄生生物との間で戦闘が起こったりするが、その際にお互いに相談し合いながら
戦闘するのが変な感じに面白い。
生物として「生存すること」を第一に行動しようとするミギーと、人間の価値観・倫理観を主張する
新一との間でしばしば衝突が起こるが、最終的にミギーが折れて人間を理解しようとするのもよい。
人間と寄生生物の間の奇妙な友情もまたみどころ。
分類不能
小説【涼宮ハルヒの憂鬱】
涼宮ハルヒ(画像左) & キョン(画像右)
一言で説明できない関係性の二人。
涼宮ハルヒは、宇宙人・未来人・超能力者などの超自然的存在に憧れを持つ少女である。
SOS団という部活動を立ち上げ、常に面白いことを探し求めている。
実は彼女は世界を自由に改変することのできる神のような能力を持っているのだが、本人はそのことに無自覚。
超自然的存在に憧れを抱きながら、実は自分がそうであり、しかもそのことに気付いてないという
変な設定をもとに物語が展開される。
彼女が所属するSOS団の団員は、実は彼女を監視する未来人・宇宙人・超能力者の集まりなのだが
もちろん、彼女はそのことに気付いていない。
そんな中、キョンだけがただの一般人。
しかし、まわりの未来人、宇宙人、超能力者の持ち込んでくるあらゆる騒動に巻き込まれる。
そして、それは大体ハルヒ関係のことであり、ハルヒの能力が暴走することで
異世界に飛ばされたり、時間のループに取り込まれたり、さんざんな目にあう。
自覚のないハルヒに、ハルヒの能力のことを告げるのはご法度である。
そのことが世界にどんな影響を与えるかわからないからだ。
そんなルール制限つきの中、ハルヒとうまく付き合っていかなければならないキョンと
まったく無自覚で世界を改変するハルヒの、なんだかよくわからないコンビなのである。
世界にどのように影響があるかわからないので、常にハルヒの機嫌を気にするキョンが
ハルヒに悪態をつきながらも奮闘する様がみどころ。
現在進行形の作品なので、二人の変な関係がどう決着つくのかが注目されている。
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