漫画【るろうに剣心】の主要キャラクターたちは、実在の人物をモチーフに構築されている。
今回は【るろうに剣心】のキャラと、そのモチーフになった人物とを比べてみる。
緋村剣心(ひむらけんしん)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874150.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874150.jpg%3f_ex%3d80x80)
かつて、幕末の京都で修羅さながらに人を斬った「人斬り抜刀斎」の異名を持つ元・長州派維新志士。
維新後は流浪人となり、逆刃刀を手に「不殺(ころさず)」を誓い、全国を流れる。
飛天御剣流の使い手。
・・・剣心のモデルは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2b/29cf57a94cc1b6d55158067e47783b08.jpg)
「河上彦斎(かわかみげんさい)」
幕末の尊王攘夷派武士。幕末四代人斬りのうちの一人。
思想家・佐久間象山を白昼堂々斬り伏せる。維新後、明治四年に斬首。
攘夷思想を持つ彦斎が開国を推し進める新政府に従わなかったための斬首ともみられる。
裁判では「新政府の方針に従い共に働いてはくれないか」と何度も説得されるが、
尊攘を夢見て共闘してきた仲間たちのことを思うと志を曲げられないと、断固拒否した。
比較
両者とも、短身痩躯で一見女性のような外見ということが共通している。
るろ剣作者の和月伸宏氏によると、彦斎が曲げ切れなかったものを
共に闘って散っていった同士や斬り殺した敵たちへの「節義」であると捉え、
そこから「剣心」のキャラクターへと昇華させていったようである。
剣心は尊王攘夷思想の持ち主ではないが、新政府に従わず自分の志を貫いた
という点では共通している。
山縣有朋による新政府要人への誘いを断り、流浪人として目に留まる人々の
幸せのため行動するという志を、剣心は最後まで貫いた。
相楽左之助(さがらさのすけ)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874154.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874154.jpg%3f_ex%3d80x80)
幕末、赤報隊の準隊士として活躍したが、赤報隊が偽官軍として新政府に抹殺されてから
新政府や維新志士を憎むようになった。
維新後、喧嘩屋としてすさんだ生活を送っていたが、剣心との出会いにより喧嘩屋をやめ
自分の道を前向きに模索しはじめる。
・・・左之助のモデルは
「原田左之助(はらださのすけ)」
新選組十番隊組長。槍の使い手。
新選組の戦闘記録に高い頻度で名前が登場する。
一時、坂本龍馬暗殺の疑いがかけられたが真偽のほどは不明。
明治元年、上野戦争の際の負傷がもとで死亡。
が、実は死んでおらず大陸に渡り馬賊の頭領となったという伝説が残っている。
比較
両者とも血気さかんである様子が共通している。
和月氏によると、原田の"兄貴的"な部分を意識しているようだ。
るろ剣本編の後日談となる、明治十六年を描いた「春に桜」というエピソードで
左之助から、モンゴルに渡ったという手紙が来るが、これは原田が大陸を渡って
馬賊の頭領となったという伝説を意識してのエピソードだろう。
斉藤一(さいとうはじめ)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874155.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874155.jpg%3f_ex%3d80x80)
※斉藤一は実在の人物だが、るろ剣で描かれた斉藤一と史実の斉藤一とは分けて考える。
[以下、るろ剣の斉藤一]
幕末の京都で、新選組三番隊組長として何度か剣心と刀を交えた。
維新後は名を藤田五郎と改め、明治十一年、剣心の前に再び姿をあらわす。
「悪・即・斬」という独特の信念をつらぬき、時に剣心たちの前に立ちふさがり、
時には共闘したりした。
[以下、史実の斉藤一]
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b6/c3ef680bbd4dae4c24f5f12ee6dcdf04.jpg)
新選組三番隊組長。新選組最強の剣士の一人といわれる。
維新後は警官となり、西南戦争にも抜刀隊として参加し、
天才的な剣技と指揮で薩摩兵を圧倒する。
明治二十四年警視庁を退職し、大正四年胃潰瘍のため死去。
比較
新選組最強クラスの人物であるという点は共通。また、維新後警官となったこと、
時尾という妻がいることなども史実に即している。
あとの部分は和月氏なりのアレンジがかなり入っているようだ。
漫画の斉藤一は、剣心たちとは決して本心から相容れることのない
孤高のダーティー・ヒーローとして描かれている。
史実の斉藤の人となりはわからないが、るろ剣世代としては完全にこのキャラクターの
イメージで定着してしまっている・・・。
四乃森蒼紫(しのもりあおし)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874157.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874157.jpg%3f_ex%3d80x80)
江戸城警護隠密・御庭番衆の最後の御頭。
維新後、新政府から士官の話がいくつか来たが、部下たちを見捨てられず
それらをすべて断った。
維新政府に絶対恭順を示した徳川慶喜の政治的判断を正しかったとしながらも
御庭番衆として闘う場が与えられなかったことが幕末の心残りとなっており、
闇の武器商人の用心棒となってまで闘う場を求めた。
・・・蒼紫のモデルは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/44/eee9f109044ccef23959925c279e2d3c.jpg)
「土方歳三(ひじかたとしぞう)」
新選組副長。新選組を強力な組織として作り上げ、鉄の規律でまとめあげた鬼の副長。
新政府により局長・近藤勇が斬首となった後も転戦を続け、蝦夷地へ渡り五稜郭の地で
死ぬまで闘い続けた。
比較
和月氏いわく、新選組のため私情を殺し鬼を演じて心で泣いている、人間的弱さを秘めた
土方がモデルとなっているようだ。
また、絶対に新政府に降伏せず死ぬまで闘い続けた土方とも重なる部分がある。
幕末で繰り広げることのできなかった「闘争」を太平の明治の世に求めてしまう滑稽さもさながら、
そのせいで大切な部下を失ってしまい、さらにはその部下の死を理由に剣心を付けねらうとい
弱さをさらけ出した蒼紫だったが、最後は自分の弱さを認め、闘争の道に生きるのをやめた
ということで、この点は土方と異なっている。
おまけ。
蒼紫の名前は、新潟県長岡市悠久山にある「蒼紫神社」からとっていると思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/03/ccbc78b64ee212daab3db455f0985b71.jpg)
新潟県には他に弥彦神社などもあったりして、他のキャラクターの名前も新潟県関係
から取っているものが多いようだ。
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かつて、幕末の京都で修羅さながらに人を斬った「人斬り抜刀斎」の異名を持つ元・長州派維新志士。
維新後は流浪人となり、逆刃刀を手に「不殺(ころさず)」を誓い、全国を流れる。
飛天御剣流の使い手。
・・・剣心のモデルは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2a/2b/29cf57a94cc1b6d55158067e47783b08.jpg)
「河上彦斎(かわかみげんさい)」
幕末の尊王攘夷派武士。幕末四代人斬りのうちの一人。
思想家・佐久間象山を白昼堂々斬り伏せる。維新後、明治四年に斬首。
攘夷思想を持つ彦斎が開国を推し進める新政府に従わなかったための斬首ともみられる。
裁判では「新政府の方針に従い共に働いてはくれないか」と何度も説得されるが、
尊攘を夢見て共闘してきた仲間たちのことを思うと志を曲げられないと、断固拒否した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/v.gif)
両者とも、短身痩躯で一見女性のような外見ということが共通している。
るろ剣作者の和月伸宏氏によると、彦斎が曲げ切れなかったものを
共に闘って散っていった同士や斬り殺した敵たちへの「節義」であると捉え、
そこから「剣心」のキャラクターへと昇華させていったようである。
剣心は尊王攘夷思想の持ち主ではないが、新政府に従わず自分の志を貫いた
という点では共通している。
山縣有朋による新政府要人への誘いを断り、流浪人として目に留まる人々の
幸せのため行動するという志を、剣心は最後まで貫いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/moon.gif)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874154.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874154.jpg%3f_ex%3d80x80)
幕末、赤報隊の準隊士として活躍したが、赤報隊が偽官軍として新政府に抹殺されてから
新政府や維新志士を憎むようになった。
維新後、喧嘩屋としてすさんだ生活を送っていたが、剣心との出会いにより喧嘩屋をやめ
自分の道を前向きに模索しはじめる。
・・・左之助のモデルは
「原田左之助(はらださのすけ)」
新選組十番隊組長。槍の使い手。
新選組の戦闘記録に高い頻度で名前が登場する。
一時、坂本龍馬暗殺の疑いがかけられたが真偽のほどは不明。
明治元年、上野戦争の際の負傷がもとで死亡。
が、実は死んでおらず大陸に渡り馬賊の頭領となったという伝説が残っている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/v.gif)
両者とも血気さかんである様子が共通している。
和月氏によると、原田の"兄貴的"な部分を意識しているようだ。
るろ剣本編の後日談となる、明治十六年を描いた「春に桜」というエピソードで
左之助から、モンゴルに渡ったという手紙が来るが、これは原田が大陸を渡って
馬賊の頭領となったという伝説を意識してのエピソードだろう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/moon.gif)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874155.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874155.jpg%3f_ex%3d80x80)
※斉藤一は実在の人物だが、るろ剣で描かれた斉藤一と史実の斉藤一とは分けて考える。
[以下、るろ剣の斉藤一]
幕末の京都で、新選組三番隊組長として何度か剣心と刀を交えた。
維新後は名を藤田五郎と改め、明治十一年、剣心の前に再び姿をあらわす。
「悪・即・斬」という独特の信念をつらぬき、時に剣心たちの前に立ちふさがり、
時には共闘したりした。
[以下、史実の斉藤一]
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/b6/c3ef680bbd4dae4c24f5f12ee6dcdf04.jpg)
新選組三番隊組長。新選組最強の剣士の一人といわれる。
維新後は警官となり、西南戦争にも抜刀隊として参加し、
天才的な剣技と指揮で薩摩兵を圧倒する。
明治二十四年警視庁を退職し、大正四年胃潰瘍のため死去。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/v.gif)
新選組最強クラスの人物であるという点は共通。また、維新後警官となったこと、
時尾という妻がいることなども史実に即している。
あとの部分は和月氏なりのアレンジがかなり入っているようだ。
漫画の斉藤一は、剣心たちとは決して本心から相容れることのない
孤高のダーティー・ヒーローとして描かれている。
史実の斉藤の人となりはわからないが、るろ剣世代としては完全にこのキャラクターの
イメージで定着してしまっている・・・。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/moon.gif)
![](http://hbb.afl.rakuten.co.jp/hgb/?pc=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874157.jpg%3f_ex%3d128x128&m=http%3a%2f%2fthumbnail.image.rakuten.co.jp%2f%400_mall%2fbook%2fcabinet%2f0887%2f08874157.jpg%3f_ex%3d80x80)
江戸城警護隠密・御庭番衆の最後の御頭。
維新後、新政府から士官の話がいくつか来たが、部下たちを見捨てられず
それらをすべて断った。
維新政府に絶対恭順を示した徳川慶喜の政治的判断を正しかったとしながらも
御庭番衆として闘う場が与えられなかったことが幕末の心残りとなっており、
闇の武器商人の用心棒となってまで闘う場を求めた。
・・・蒼紫のモデルは
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5a/44/eee9f109044ccef23959925c279e2d3c.jpg)
「土方歳三(ひじかたとしぞう)」
新選組副長。新選組を強力な組織として作り上げ、鉄の規律でまとめあげた鬼の副長。
新政府により局長・近藤勇が斬首となった後も転戦を続け、蝦夷地へ渡り五稜郭の地で
死ぬまで闘い続けた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/v.gif)
和月氏いわく、新選組のため私情を殺し鬼を演じて心で泣いている、人間的弱さを秘めた
土方がモデルとなっているようだ。
また、絶対に新政府に降伏せず死ぬまで闘い続けた土方とも重なる部分がある。
幕末で繰り広げることのできなかった「闘争」を太平の明治の世に求めてしまう滑稽さもさながら、
そのせいで大切な部下を失ってしまい、さらにはその部下の死を理由に剣心を付けねらうとい
弱さをさらけ出した蒼紫だったが、最後は自分の弱さを認め、闘争の道に生きるのをやめた
ということで、この点は土方と異なっている。
おまけ。
蒼紫の名前は、新潟県長岡市悠久山にある「蒼紫神社」からとっていると思われる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/03/ccbc78b64ee212daab3db455f0985b71.jpg)
新潟県には他に弥彦神社などもあったりして、他のキャラクターの名前も新潟県関係
から取っているものが多いようだ。
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剣心のモデルは人斬り以蔵だと思ってました
新潟の地名がキャラの名前に沢山使われていて、新潟県民としては嬉しい限りでした。
ちょっと、がっかりです。
小説内の二天一流→飛天御剣流と押韻してますし…
原作者の和月さんが司馬遼太郎氏のファンらしいです。
斉藤一や宗次郎らの性格は司馬遼太郎氏の作品「燃えよ剣」「新選組血風録」などを参考にしたらしいです