めずらしく二日連続で映画を見に行った。
昨日はクリストファー・ノーランの「テネット」。
今日は俺にしては本当にめずらしく邦画の「ミッドナイトスワン」という映画を見に行った。
邦画を映画館で見るのは「8日目のセミ」以来だと思う。
ざっくり感想を書くとただただ辛い映画で、ハートフルで泣ける!とかいう映画ではない。
が、とても衝撃を受けた映画だった。
是非一度見ていただきたいと思う。
ミッドナイトスワンのあらすじはこうだ。
都内に住むMtFの元に育児放棄で行き場のないいとこの中学生女子が訪れました。
都内の生活の中で中学生女子はバレーに目覚め、MtFとも仲良くなっていきました。
MtFは中学生女子を自分の子供のように思い始め、バレーを続けさせるために夜の仕事を辞めてまで中学生女子を応援するようになりました。
しかし中学生女子は本当の母親のところに帰ることになりました。
MtFはそれがつらくて、性転換して女性になりました。
そして中学生女子の元に迎えに行くのですが、結局一緒に住むことは出来ませんでした。
それから1年ぐらい?経過して、中学生女子は中学校を卒業しました。
そして久々に東京のそのMtFに会いに行くのですが、MtFは性転換のメンテナンスを行っていたため、寝たきりの病人になっていました。
女性ホルモンも摂取していなかった影響か統合失調症、記憶の錯乱などの症状も見られていました。
二人で海を見に行くのですが、海でバレーを踊る中学生を見ながらMtFは亡くなりました。
またそれから1年後、バレー留学でアメリカに行っている女子中学生がなんか審査員の前でバレーを踊って話は終わりです。
まぁ人によって感想は色々あると思うが、俺が一番感じたのはMtFとして生きていくのは辛い、ということだ。
もちろんMtFでも水商売以外に仕事について、男性と結婚している人だっている。
だがそんなのはごくごく少数であり、大多数は自殺やうつに陥っているように思う。
映画のシーンの中で、主人公のなぎさが企業の面接を受けるシーンが印象的だった。
面接官の若い女性が「そのピアス綺麗ですね~」となぎさに言い、そのあともう一人の面接官である中年男性が「LGBTがど~の・・・」と喋りだし、若い女性に諫められる、というシーンである。
これは結局、若い女性も中年男性もMtFにとても戸惑っていることがわかる。
中年男性が悪いような書き方をしているが、とってつけたようにピアスを褒めるこの若い女性も体外である。
すべての女性に対して「ピアスいいですね!」と褒めるならわかるが、相手がMtFだからこそそういう装飾品を無駄に褒めてしまったわけだ。
だからこの面接官は二人とも理解がないとかではなく、MtFの女性に慣れていないのである。
LGBTがどうのとかは関係ない。
とはいえ、やはり明らかに男性にしか見えない男が女装して面接に来てもビビられるのはしょうがない。
逆にこれはなぎさも悪いといえば悪い。
パス度が低いからだ。
女性に見られるにはいくら女性ホルモンを投与したって、性別適合手術を受けても極論、意味がない。
性別を決めるのは結局見かけ、いわゆるパス度である。
なぎさは女性ホルモン投与もいいが、整形もするべきだったと思う。
また映画の中で何度もバレーのシーンが出てくるが、バレーのシーンは綺麗だ。
対してNH達が踊るバレーの真似事は、お笑いの存在でしかない。
どうしても女性は華奢であるが、男性はごつくなってしまう。
こういうところからも所詮、男は女になれない、という風なメッセージ性を感じたが撮った側はどう考えて撮ったかは知らん。
なぎさが風俗で客をとろうとするシーンも個人的にはリアルだった。
確かにNH風俗にいったら「本当についてるの?!」みたいなことは言う。
俺も言ったことがある。
けどあんなホテルの部屋みたいに部屋がいくつも並んでる風俗あるのか?
あと田舎の描写が偏見に満ち溢れていた。。
田舎の若い子はコンビニにたむろする。
若者は軽自動車を改造して、うるさくするように走る。
みたいなステレオタイプな田舎表現が良かった。
映画館では泣いている人もいたが、俺は全く泣けなかった。
ただただ恐い映画だった。
MtFの末路はこうだぞ、という脅しに感じる。
別にこれが悪いとかいうつもりもない。
ただただ衝撃的だった。
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