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ローレンス・ブロックの、マット・スカダー・シリーズは大好きで、だいたいの作品は読んだと思うのですが、
なにしろ昔のことなので、忘れてしまっている部分も多く、
思い出しつつ、読みかえしています。
主人公は、元警察官でアルコール依存症の私立探偵、マット・スカダー。
このシリーズは、いちおうジャンルとしてはハードボイルド・ミステリーということになるのでしょうが、
今流行りの、あっと意表をつくような意外な展開とか、
強烈な個性を持ったキャラクターとかが出て来るわけではありません。
ただ、特筆すべきは、読ませられる、ということです。
最初から最後まで、読んでいて楽しい、そんな小説が、最近は少なくなりました。
スティーヴン・キングが、ローレンス・ブロックの作品を評して、
「他の誰にも書けない小説だ」と言ったそうですけど、
その通り、かもしれません。
キングもブロックもアメリカを代表するベストセラー作家ですが、
実力者どうしはお互いをよく知る、というところでしょうか。