『 <wbr></wbr>隅田川 』 名称の推移と由来
寛政年間(1624~1643)墨田川の水を汲んで酒を造り、隅田川諸白と称した。
これは浅草寺志にみえる話しである。
※江戸塵拾によると隅田川諸白は本所中の郷にある、井戸水を使って製したという。
その所伝からするれば、酒を造ったというのであるから隅田川の水は澄んでいたことを
物語っている。
江戸時代に澄んだ川であったのなら、それ以前はより澄んでいたに違いない、
澄んだ綺麗な川であったことから推察して、すんだ川といっていたのが転訛してすみだ川に
なったのではないだろうか、と考えるのである。
隅田川には、書き方・異称・別名がそれぞれ幾種類かある。
まず書き方と異称について、明治三十一年(1898)刊行の
『新撰東京名所図会 第十二編墨田堤』の記すところを次に引用してみる。
隅田川の名称に用いし文字は下記の如し。
墨田・・・東鑑・八雲御抄・回國雑記・梅花無尽蔵・夫木抄・大日本史
墨多・・・ 墨田・伊勢物語
角太・・・ 万葉集
角田・・・ 東路道記・惺窩文集・羅山詩集
以上みな仮名なり、今は隅田川の文字を公用す。
以下は文人詩客の私用せる文字なり。
隅川・・・ 徂徠復爽鳩子万書
墨水・・・ 釈了玄七律詩題
澄江・・・ 徠徂七絶東都四時楽
墨陀河・・周南五言古墨水泛舟作
墨河・・・ 蘭亭雨中放舟五律
墨川・・・ 春台七言・古録竹歌
墨之洲・・春台七言・古録竹歌
墨之水・・春台七言・古録竹歌
墨水・・・ 東野復候書
墨・・・・ 述斉偶筆(さんずいの墨の文字だが当用漢字に無し)
◆参考:「隅田川の名称の推移と由来」
http://www.edo.net/edo/asakusa/06ookawa/yurai.html