75歳からの「がん検診」に意味はあるか? ①
富家 孝 氏の[ZAKZAK(12/26)]記事を2回に
分けて紹介します。①
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現在、国立がん研究センターなどが
「科学的根拠がある」と推奨しているのは胃、大腸、
肺、乳房、子宮頸部の5つのがん検診だけです。
また、その方法も、次のように限定されています。
大腸がん(便潜血検査)・▽肺がん(胸部X線検査)
▽子宮頸がん(細胞診)・▽乳がん(乳房X線検査=
マンモグラフィ)・▽胃がん(胃X線検査・内視鏡検査)。
ところが、自治体の多くが、推奨外の科学的根拠が
薄いがん検診に予算をさき、住民サービスとして実施
しています。
たとえば、前立腺がんの「PSA検査」は、殆どの
自治体が実施していますが、アメリカ合衆国では
「無駄」とほぼ行われていません。
前立腺がんは進行がゆるやかで、大半は死亡原因に
ならず治療の必要はないからです。私自身、診断され
ましたが放置しています。
乳がんの場合、推奨されるマンモグラフィ以外の
超音波検診も、大阪市や千葉市など多くの自治体で
行われていますが、ほぼ無意味です。
大腸がんの場合、便潜血検査のみ推奨されていますが、
内視鏡検査に補助金を出している自治体があります。
ポリープが発見されるので、無意味ではありませんが、
除去となると高度な技術が必要とされ、熟練した医師は
多くはありません。
高齢者には出血や穿孔、また脳梗塞、心筋梗塞などの
リスクがあります。
胃がんでは、X線検査と内視鏡検査が推奨されて
いますが、これよりもピロリ菌による胃がんリスク検査
(ABC検査)のほうが大事です。
日本人の胃がんの99%はピロリ菌感染が原因だから
です。
ですので、この検査で「A群」(健康)と診断されれば、
念のために1度だけ内視鏡検査を受ければ、ほぼ胃がんの
リスクはありません。
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※ 画像(写真)の一部は借りものです。
※ 次回掲載は12月29日の予定です。
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