
後期高齢者の「がん検診」に
意味はあるか?②
75歳からの「がん検診」に意味はあるか?②

富家 孝 氏の[ZAKZAK(12/26)]記事を
2回に分けて紹介します。②
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
アメリカ合衆国では「賢い選択キャンペーン」
(Choosing Wisely)で、いくつかの
無駄な治療と検診の例が挙げられています。

その中に、『余命10年未満の人にはすべての
がん検診を勧めてはならない』というのがあります。
たとえば大腸がん検診の場合、放置しておいても
少なくとも、5年は命に関わることはない大腸の、
大腸ポリープを発見し、そのために治療(除去)する
リスクのほうが、検診しないリスクより大きいと
いうことです。

私(福家)は、75歳以上の方に、がん検診を
あまり勧めていません。それは、75歳を超えると
平均余命が10年余しかなくなるからです。

厚生労働省によると、平均余命は次の通りです。
--------------------------------------------
65歳=(男)19・70年、(女)20・10▽
70歳=(男)15・84年、(女)20・10▽
75歳=(男)12・29年、(女)15・86▽
80歳=(男) 9・06年、(女)11・91
--------------------------------------------
「簡易生命表の概況」(2018年)

富家 孝>(ふけ・たかし)1947年 3月31日 72歳

1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営の後、
「ラ・クイリマ」代表取締役。早大講師、日本女子
体育大助教授などを歴任、新日本プロレスリング
ドクター、医療コンサルタントを務める。
著作:『ブラック病院』(イースト・プレス)など。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
※ 画像(写真)の一部は借りものです。
※ 次回掲載は12月30日の予定です。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
