ある日の院生研究室でのことです。私と同じ博士前期課程1年生のJoeさんが、「大塚さん、これからイトーヨーカドーに行きますけど、何か必要なものありますか」と私に声を掛けてくれました。特に必要なものが無かった私は、「ありがとうございます。特にありませんよ。Joeさんはやさしいですね」などのように返答しました。私の言葉を受けて、Joeさんは「気が利くねと言われたくて」と言って院生研究室のドアを開け、ヨーカドーに向かいました。
その時、「なぜ、僕は『気が利くね』とは言わなかったのだろう」としばらく考えました。「気が利く」という表現は、対等な者同士の間で、相手のことを言う場合では、多くの場合おどけて使われます。なぜおどけているように響くかというと、もともと「気が利く」という表現は目上が目下の者を評価する際に用いるからでしょう。私とJoeさんは歳は10歳以上もはなれていますが、同じ1年生です。私が「Joeさん、気が利くね」というと、いかにも私が偉そうな感じになります。それは私の意図するところではありません。だから、「気が利くね」とは言わなかったのだと思います。もちろん、目下が目上に対して、例えば「佐藤課長、気が利きますね」などとは絶対に言いません。
後日、Joeさんには上述の私見を伝えました。【大塚孝一 M1】
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コメントをありがとう。全ての誉め言葉を調べたわけではありませんが、おそらくJoeさんの言うとおりだと思います。