コロナでパンデミック。
もちろんウィルスという謎の存在がある。
しかし、これだけ世界中に短期間で広がったのは、人間自身が広げたからだ。そのような社会構造を生み出したのは、グローバリズムやそれを支えるテクノロージーの発達があるからだ。そんなことは指摘するまでもない。
自動車、電車、飛行機、これら乗り物を人間は享受してきた。と同時に、これら交通網がなければ、今回のようなパンデミックは生じなかった。世界的規模で人々が行き来することができるからの現象である。
そして、世界に行き来することを「良し」とするイデオロギーが人々に浸透してきたし、邁進してきた。
ツーリズム(観光)だ。
世界の景勝地に行きたいと、世界の裏側に行きたいと、外国はたまに行ければいいけど、国内の旅行はよく行くと。「Go to」で旅行して、得したいってさ。
そうやって、世界遺産とか自然遺産とかオリンピックやワールドカップで世界を回ることができるという欲望が作られてきた。そして、企業も国家も経済活動でもあるので推進してきた。観光地が商品として開発されたのだ。
世界遺産になるために、世界遺産条約が作られ、登録方法が規格化され、そうなるための市民の運動が動員され、市民もまた「町おこし」だとして、その活動に力が入り、登録されるかどうかに一喜一憂し、マス・メディアがそれを報道する。ついでに世界遺産検定というわけのわからない知識を生産し、その獲得を目指し、資格を持っているとアピールする。
僕たちはそうやって生きてきた。
元々はなかった欲望を作り出され、メディアが欲望を刺激し、欲望を叶えることを幸福とするイデオロギー。観光する場所でもないのに、地方が観光地になるよう開発された。いやスポットでもいいわけだ。それをメディアが宣伝だから、同じシステムだ。
コロナで反省し、落ち着いて生きていこうというのでは、ダメでしょうか?
世界の裏側のチョコレートを食べる必要もないでしょ。