Drマサ非公認ブログ

病院の個室代は払う必要はないっていう話

 フと思い出した。もう20年も経つだろうか、病院で当直事務の仕事をしていた時の話だ。

 この話をきちんと紹介するとなると、シリーズ物になってしまうので、今回はさわりだけ。

 病院のベッド代のことでのトラブルがあった。患者側とのトラブルではない。僕と病院間でのトラブルで、それに僕が所属していた派遣会社も加わって、随分嫌な思いをした。

 トラブルの内実ではなく、ここでは病院のベッド代について取り上げる事にする。ベッド代というのは、正式には室料差額という。あるいは差額ベッドとも言っていたように思う。健康保険の対象外であるから、自費になる。当時働いていた病院では、最高額が30万円(のちに20万)、特別個室が6万円、一般個室が2万3千円程度で、2人部屋と4人部屋も室料差額が設定されていた。それ以上の入院患者数を収容可能な大部屋は0円であった。

 室料差額は患者希望の場合に請求可能となる。また必ず同意書が必要で、同意書には何が記載されなければならないのか法的に設定されてもいた。仮に損なえば、請求できない。また、治療上個室管理が必要な場合は請求できない。例えば感染症。

 ところがだ。このような室料差額の請求要件など多くの者は知らない。そこで病院は、希望ではないにもかかわらず、「個室しかありません」と、シラっと室料差額の同意書を患者側に書かせるのだ。多くの人は「しょうがない」として、高額のベッド代を払う事になる。なんせそこそこのホテルより高いわけだから、患者側の負担は大きいと思う。健康保険ではなく、医療保険に入っていれば支払いも容易になるのであろうが、そうではない人々も多い。

 ちなみに救急患者に請求はかなり難しい。次のような規定だ。「救急患者、術後患者等であって、病状が重篤なため安静を必要とする者、又は常時監視を要し、適時適切な看護及び介助を必要とする者」である。当然救急患者が入院するなら、当初は安静が必要であろうし、状態を監視するのは当然だ。

 僕自身もこんな規定は知らないで働いていたのだが、あるきっかけで知るようになった。それは厚労省の職員が入院した時だ。彼から、この室料差額に関する通達を知らされたからである。彼は救急搬送でそのまま入院した人物であった。ということは先の規定に当てはまる。よって個室入院であったが、室料差額は支払う必要はないわけだ。

 もっと色々な話があるんだけど、気が向いたら、また書かせてもらおうかと思う。とにかく病院はこっちが知らないことをいい事に、支払う必要のないお金を請求しているわけで、気をつけてほしい。

 それだけではない。なんと病院の方が質料差額を請求可能な要件を理解していないことさえ多いはずだ。

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