昨年12月、市から健診(健康診断)の案内が来た。
妻は受けたいと言う。僕は「健診なんか、いらないよ」と言ったが、妻は受けたいと譲らない。そこで申し込むことになった。予約をし、1月15日ということになった。
そこに緊急事態宣言。健診の書類が届く。今回は検尿と検便のキット付きだ。ところが、今度は妻が健診に行くのを渋り始めた。
理由は人が集まるところだからだ。コロナ禍で避けたいという思いのようだ。僕は健康診断は不用不急じゃないんだから、キャンセルすればいいと伝えた。
そこで電話でキャンセルの旨を伝えた。少し担当者と話をすることになったが、キャンセルの理由を聞いて来たので、「コロナで、不用不急じゃないから」と伝えた。担当者は「そうですよね」と言ったが、そこで僕が「キャンセル増えてますか?」と聞いたところ、「変わらない」との返答である。
やっぱり多くの人々は通常モードらしい。行政も通常モード。国が「不用不急の外出は自粛してください」とお願いしたところで、行政は健診が不用不急であるかどうかは考えていないし、「どんなことが不用不急になるのか?」とは考えないで、慣習に身を委ねているのかもしれない。
ところで、フィンランド症候群をご存知でしょうか?
フィンランド保健局が1974〜1989の15年間にわたって、40代男性に対しておこなった調査がある。定期的に健康診断をおこなって、あるグループには医者が適正と思われる医療介入を行い、もう一方のグループには何もしないでいた。
結果、健診推進派には思っても見なかった結果となってしまう。2つのグループの間の死者数に差が出たのだが、なんと医療介入した方が死者数が多かったのだ。
つまり健診の結果に基づき、血圧コントロールしたり、コレステロール値の調整を計ったり、メタボを指導したりする方が、何もされないより死期を早めるというものだ。
当然だが、健診自体は単なる検査であるのだから、健診自体に病気を改善する力はない。とすれば、健診し、異常があるとされ、その異常に対処するために医療を施すことには意味がないどころか、よくないということになってしまう。よって、欧米では健診は個人が勝手にやるものになった。
だいたい健診および検診で使用される正常値が信じるに値するものかどうか疑わしい。そもそも個体は同じものがないので、正常値は目安にすぎない。
また日本の健診では正常値が狭く設定されているので、異常と出やすい。そうすると検査項目が細分化され増えれば増えるほど、異常との診断ではなく“判定”が出てしまう。こうなると異常がある方が正常になってしまう(笑)
僕はフィンランド症候群のことも知っていたので、当初妻に健診は不用だと言ったのだが、そもそも僕が信頼されていなったので・・・・押し切られたという(笑)
ところで、検診は不用不急?