医療システムの矛盾や問題点が多岐に渡ることは想像に固くないだろう。
そのため、陰謀論めいた説まで流れてしまう。そのさ触りを。
かなり前だが、病院で働いている時、救急車受け入れに関して事務上の不備があって、担当者と話をしたことがある。結局僕たちの部署に問題はなかったが、担当者がいつもと違い、原因追求に懸命だったとの記憶が残っている。
実は病院が救急車を受け入れると、都なのか、国なのか忘れたが、補助金が支給されるのである。だから、救急車受け入れは重要な病院収入だったのである。儲かるから、受け入れるっていうわけだ。だから、救急車をどんどん受け入れるようなインセンティブが発生し、そのような土台の上で、病院で働く人々の行為選択がなされていることになる。
ちょうど僕が担当者と話をしたときに、救急搬送の数が間違っていたことが判明し、”実害”があったと言っていた。”実害”という感覚もどうかと思うがという話でもあるが。
常識的に考えれば、救急車を受け入れなければならない、受け入れられる状況であるから、受け入れるということになるだろう。ところが、受け入れたら、金が儲かるからということで、受け入れ、なおかつ入院が必要でもないのに、入院させようとする。
加えて、救急車が必要でもないのに救急車を頼む人が多くいるのである。当時救急隊隊長に「本当に救急車で来る必要がある?」と聞いたことがあるが、「まあ大きな声では言えないけれど、半分もないと思う」と言っていたのが印象に残っている。
もちろん救急車や救急隊員にお金はかかる。それだけではない。救急車を利用して、お金はかからないと思っているのだが、実は税金で、補助金が支給されるのだから、お金はかかっているのである。このようなやり方が、行政が手伝うやり方である。今のコロナでも、基本変わらないようだ。
公共的なことに税金が使われるなら、もちろん問題ないのだが、そうなっているとは言い難いように思う。医療費を健康保険で払い、つまり実質的な税金で払う。そして、病院への様々な補助金で、つまり税金が払われている。
そうすると、その税金を扱い媒介する機関が力を持つ。健康保険を扱う機関、そして補助金を扱う機関。その間にあって、それら機関に翻弄される人々という構図があるように思われる。
誰かちゃんと研究してくれないかな。