よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

脂肪の話(3)

2015-04-28 14:36:03 | 健康・病気
脂質異常症に対する治療として、まず試みるべきは食事療法です。
原則は、「油ものを控えなさい」という指導になりますが、高コレステロール血症と高中性脂肪血症では食事療法の内容が少し違います。一般的には、高コレステロール血症の方には、脂質は総エネルギーの25%以下(主に植物性脂肪から摂取)にし、コレステロールの多い肉の脂身、レバーを控え、食物繊維をしっかり摂るようにします。ただし食事由来のコレステロールは3割といわれており、残り7割は肝臓でのコレステロール合成により決定されるため、コレステロール合成を抑える薬を飲まないと下がらないことも多いです。高中性脂肪血症の方は、総カロリーの制限(特に糖質・アルコール)が効果的です。
 次に運動は、LDLコレステロールや中性脂肪を下げ、HDLコレステロールを上げる効果があり有用な治療法です。特に散歩、ジョギング、登山、水泳といった有酸素運動は、体脂肪を減らす効果も期待できます。
 薬物療法として、近年よく使用されるのはスタチンという肝臓でのコレステロール生成を抑制する薬剤です。この薬により、動脈硬化の進行が抑えられ心血管系合併症が減るという研究が多数報告されています。その他、小腸からコレステロール吸収を抑える薬もあります。

 ここで一口に動物性あるいは植物性脂肪といっても、脂肪にはコレステロール、中性脂肪、脂肪酸などの種類があり、食品によりその組成も違うということを理解しなければなりません。
 最近食品に含まれる脂質の中でマスコミにも登場し注目されているのは脂肪酸です。
 私たちが摂取する油(脂肪酸)は、構成する炭素数により、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分けられます。
次に炭素分子同士の結合が単鎖のみの脂肪酸を飽和脂肪酸、二重結合(不飽和結合)を有する脂肪酸を不飽和脂肪酸と呼びます。不飽和脂肪酸は、二重結合が一つの一価不飽和脂肪酸と二つ以上の多価不飽和脂肪酸に分けられます。
続きは、脂肪の話(4)へ・・・

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