飽食の時代にあって、”食の安全”が問われることが多くなっています。残留農薬、放射線汚染、遺伝子組み換え作物、狂牛病など様々な問題がマスコミで取り上げられています。今回は、食品添加物について考えてみます。
食品添加物には、大きく分けて天然と合成の二種類があります。天然のものは一概に安全といえるわけではありませんが、問題になることが多いのは合成添加物です。中でも自然界に存在しない合成添加物は、ヒトの体の中で代謝・排泄されず体に悪影響を与えている可能性が示唆されています。
そもそも現代人の食事において、食品添加物を一切とらないといのはほぼ不可能です。コンビニの弁当、サンドイッチは言うに及ばず、明太子、漬物、ハム、インスタントラーメン、レトルト食品、冷凍食品など加工食品には必ず何種類もの食品添加物が使われています。食品添加物の用途は、見かけを良くする、長持ちさせる、味や香りを整える、分量を多くする、製造コストを下げるなど様々です。このおかげで、私たちは、便利で手軽で安く美味しい?食事を楽しむことができます。
ではその代償は、どのようなものがあるでしょうか?
一番に考えなければならないのは、体への毒性です。国が認可しているとしても、その根拠は動物実験結果であり、ヒトではありません。また単一の食品添加物では問題なくても、同時に複数の化学合成物質を摂取した時の影響は、誰も知りません。がん・アレルギー・免疫力低下・頭痛など体の不調の原因になる可能性が指摘されています。
次に食文化の崩壊も危惧されています。ほとんどの加工食品のうまみ成分として使われているとされる、塩分+化学調味料+たんぱく加水分解物による合成されたうまみに慣れてしまうと本来のうまみがわからなくなるという味覚の問題があります。また簡単に安く食事がとれることに慣れてしまうと生命をいただくという食物のありがたさや食の作り手に対する感謝の念が失われてしまうことになります。
私自身これまで食品添加物についてまったく無頓着でしたが、健康の基本は食事という大原則に立ち返り、達人が教える下記のポイントに注意したいと思います。
1.加工食品を買う時は、裏のラベルを見る(台所にない、聞いたことないものは食品添加物)
2.加工度の低いものを選ぶ(手間をとるか、添加物をとるか)
3.”知って”食べる(一週間のスパンで考える)
4.安いものだけにとびつかない(安い食品には訳がある)
5.”素朴な疑問”を持つこと(添加物と付き合う最初の第一歩)
参考文献:安部司 「食品の裏側-みんな大好きな食品添加物」
渡辺雄二 「体を壊す10大食品添加物」