前回では、尿酸とは何か?高尿酸血症になるとどうなるのか?についてお話しました。では次に、高尿酸血症といわれたらどうしたらよいでしょう。
基本的には、糖尿病、高血圧、脂質異常症といった他の生活習慣病と同じで、食べすぎ、飲みすぎ、運動不足、ストレスといった生活習慣を見直し肥満を解消することが重要です。
食事では、プリン体を多く含む食品を控えることが必要です。特に多いのは、動物の内臓、魚の干物です。野菜、海草といったいわゆるアルカリ性食品は、プリン体含有量が低いものが多く、尿酸の溶解度を高める効果があり推奨されます。またアルコールは制限し、十分に水分補給することも尿酸の結晶化を防ぐのに有用です。その他、乳製品は積極的に摂ることが勧められ、しょ糖・果糖の過剰摂取は控えるのがよいと言われます。
過度の運動は尿酸値を上昇させることがありお勧めできませんが、適度の有酸素運動では、肥満、高血圧、耐糖能異常、脂質異常などが改善し、間接的に尿酸値が下がることが期待されています。週3回以上の運動を目標にしましょう。
これらで十分尿酸値が下がらない場合は、薬物治療になります。尿酸産生を抑えるタイプ、尿酸排泄を促進するタイプがあります。
最後に、尿酸の生体内での意義についてお話します。
結晶化が危惧されるにも関わらず飽和濃度に近い濃度で血中に保持している理由として、抗酸化作用があります。抗酸化作用とは、今話題になっているアンチエイジングとも関係しますが、細胞の損傷を抑える働きがあります。さらに、尿酸値が低いため生じる病態としてアルツハイマー病やパーキンソン病との関連も報告されており、神経保護作用もあると考えられています。
健診で尿酸値を測ることがあれば、適正値(2.0~7.0mg/dl)であるか気にかけていただければよいと思います。