よしだハートクリニック ブログ

 院長が伝えたい身近な健康のはなし

「アーシング」は医療の救世主となりうるのか?

2016-01-04 14:31:52 | 健康・病気
 最近注目している健康に関する話題に、「アーシング(=別名グラウディング)」があります。
 太古の昔から、ヒトは素足で大地を歩き、洞窟などに住み地面に接して生活していました。しかし、文明が進みここ100年以内に、ヒトは非伝導性の靴を履いて歩き、絶縁されたベッドに寝る生活を送るようになりました。その過程で、寿命は延びたにもかかわらず、様々な慢性疾患に悩まされるようになりました。 この原因が、大地と接していないからだと指摘している人たちがいます。

 多くの慢性疾患は、炎症が原因で生じていることが明らかになっています。炎症とは、白血球から放出されるフリーラジカル(代表的なものとして活性酸素が良く知られています。電子が一つ欠けていることが多く、「他から電子を奪う」すなわち酸化する力があります)という活性物質が主役となり、病原体や損傷した細胞を処理する過程を指します。しかし、これが過剰になると正常組織にも障害が生じ、様々な病気の原因となります。したがって、生体にはフリーラジカルを中和する物質が必要で、それが電子や抗酸化物質になります。
 一方、大地(=地球表面)は負電荷に帯電しており、電子がたくさんあります。ヒトは伝導体ですから、大地と接していると速やかに大地由来の電子が生体に入り、フリーラジカルを中和して炎症を鎮めてくれます。 この原理を利用して、現代人の様々な病気を癒すパワーのことを「アーシング」と呼んでいます。

 まだ多くの医者も知らない分野ですが、科学的研究による裏付け報告も散見されるようになり今後の発展が期待されます。
 何より、“素足で歩く”や“電器製品と同じように大地とアースする”だけで効果の期待できる治療ですのでお手軽ですよね。
 
             

             参考図書:”アーシング” クリントン・オーバー他 (ヒカルランド)