EASEプログラム®活用希望の方へ
EASEプログラム®をご活用いただくにのには、下記3点に留意していただければ、特に制限はありません。学術目的であれば料金は不要です。
1.状況把握のため、活用時にご一報ください。
お名前、ご所属、目的等。メールで結構ですので、管理者宛にお送りください。
ブログの「コメント」からお送りいただければ結構です。
2.発表時には、こちらを引用文献として入れてください。
・岡美智代:援助のための方法. 中西睦子監修、安酸史子編著、成人看護学-慢性期. 東京;建帛社、2010: 54-72
3.きちんとしたEASEを行うためには、EASEプログラム®の定義に書いてある次のことを実施してください。
1)生活重要事の前景化:
検査データや体重に焦点を当てるのではなく、まずは患者様が人生で大切にしていることを聞いてください。具体的には、こんな感じです。
× 「もう少し検査データを改善するためにEASEプログラム®っていうのをやってみましょうか?」
これでは、医療者から見た目標が中心になっています。
◯ 「Aさんが生活の中で大切にしていることを続けるために、自己管理のお手伝いをしたいと思っています。そのためには、まずAさんの生きがい・普段大切にしていること・失うと嫌なことを教えてください」
このように、患者様が生活において重要視していることを確認してください。
長年顔を合わせている患者さんでも、改めて聞くと語ってくれますよ。医療者が照れていては、患者さんもお話ししてくれません。患者様に真剣に向き合ってみてください。
2)保健行動モデルの活用:自己効力向上を図るために、できそうな目標から始めてください。あくまでも患者さんに目標を決めてもらってください。
× 「もう少し体重を減らした方が、体に負担がかからなくなるので、減量を目標にしてはいかがでしょうか?」
× 「Aさんは、標準体重から5kgオーバーなので、6ヶ月で5kg減量することを目標にしてはどうでしょうか?」
いくら口調が穏やかでも、医療者が目標を決めてしまっています。
◯ 「どのような目標が良いでしょうか?Aさんが、できそうなことから目標を立ててみましょう」
まずは、患者様に自己決定権があることを伝えましょう。患者様がどうしても自分で決められない場合は、医療者がアドバイスしても結構です。
3)認知行動療法の活用:セルフモニタリングを活用するときは、行動目標を実行することのメリットなども観察項目に入れてください。
× 「飲水量」「体重」「喫煙本数」など、行動目標だけを書くようにする。
これでは、行動の結果しか確認しないことになります。
◯ 「自分に対する満足度」
目標行動が達成できなかったときは、患者様も自分で自分のことは満足していないのです。結果だけ見ていては、このような患者様の辛い気持ちが置き去りにされてしまいます。患者さんが自分で自分をふがいないと思っている気持ちを共有しましょう。
◯ 「口のべたつきの軽減度」「体が軽い感じ」など、行動後のメリットも認識する項目を入れる。
患者さんが、行動することで得られるメリットが時間できるようにする。
なお、定義は次の通りです。
EASEプログラム®の定義
「対象者にとって大切なことである生活重要事を前景化させたうえで、保健行動モデルなどを活用しながら、対象者に対するアセスメントと理解を行い、行動や認知の修正に関する基本的原理と方法論は、認知行動療法を活用して、新たに構成されたもの。」