「ニューヨーク 親切なロシア料理店」
原題 THE KINDNESS OF STRANGERS
2019年 デンマーク、カナダ、スウェーデン、フランス、ドイツ
【ムービープラス】
ニューヨーク、マンハッタンの地で創業100年を超える老舗ロシア料理店「ウィンター・パレス」に集まった人々の交流を描いだ人間ドラマ
かつての名ロシア料理店も今は料理はひどくただ古いだけの店になっています
立て直しのために雇われたマネージャーのマーク(タハール・ラヒム)は刑務所を出たばかり
看護師をしながらボランティア活動に励む常連客のアリス(アンドレア・ライズボロー)
店に集まるのはクセのある人々ばかり
そんな店に夫のDVから逃れようと2人の子を抱えたクララ(ゾーイ・カザン)が飛び込んできます
前半は辛い場面が多いです
しかし、後半はロシア料理店で出会ったそれぞれが様々な傷を抱えている人々が互いに助け合って生きていく優しい場面が増えてきます
「共助」という当たり前のことを描いた作品ですが、日々何事もなく暮らしていると忘れてしまっていることに気づかされました
料理店の責任者がロシア系でもないのにロシア料理店らしさを出すため、わざわざロシア訛りの英語を喋ったり、名前もそれっぽくしているのが可笑しかったです
脇役ですがビル・ナイの味のある演技がナイスでした
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0e/d1/dfc87ffb58e9c8f986c39a5d4bf693f7.jpg)
「シャイン」
原題 SHINE
1995年 オーストラリア
【ムービープラス】
実在の天才ピアニスト、ディヴィッド・ヘルフゴットの半生を映画化したもの
オーストラリア、メルボルンに暮らすデイヴィッド(ジェフリー・ラッシュ)は音楽家の夢に破れた父に幼少時からピアノを厳しく教え込まれ、その才能は周囲の誰もが認めるところとなります
しかし、留学の話が出ると父はデイヴィッドを手元から離すまいと激しい言葉の暴力で拒否します
結局、許しを得ないままロンドンの英国立音楽院に留学し、その才能を大きく開花させるデイヴィッド
父にいつか弾きこなすよう言われていたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番をコンクールの演奏曲に選び猛特訓の末に見事に演奏しますが過度のストレスにより精神を病んでしまいます
周囲の理解を得られない天才は本当に気の毒です
メルボルンに戻り、精神病院に入院させられるも、最後の最後には共に生きてくれる女性と出会え、ピアニストとしても一人の男性としても幸せな暮らしを手に入れることができたのには救われました
二度目です
一度目は厳格すぎる父親と心を病んでしまったディヴィッドの記憶が強くて良い印象がありませんでした
息子に自分の夢を託したものの息子への依存心が強すぎた父親、彼もデイヴィッドを愛していたのは真実でしたが表現方法が間違っていたのです
今回、他にも様々気づけたシーンが多く再鑑賞して良かったです
お恥ずかしいことにパイレーツ・オブ・カリビアンで初めて名前を知ったジェフリー・ラッシュ
他にも何作か観ましたが素晴らしい俳優さんですね
本作でアカデミー主演男優賞を受賞
見事な演技を披露されています
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7e/f0/eaf9b328f2920eaef91453c039097669.jpg)
「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」
原題 DER TRAFIKANT
英題 THE TOBACCONIST
2018年 オーストリア、ドイツ
【ムービープラス】
原作 ローベルト・ゼーターラー「キオスク」
1937年、ナチス・ドイツとの併合に揺れる第二次大戦前夜のオーストリア
タバコ店の見習いとして働くためウィーンにやってきた17歳の青年フランツ(ジーモン・モルツェ)は店の常連であるフロイト教授(ブルーノ・ガンツ)と懇意になります
フランツは教授から人生を楽しみ、誰かに恋をする勧めを受け、ボヘミア出身の女性に一目ぼれします
初めての恋に戸惑うフランツが、時々見る不思議な夢について助言を求めたことから教授とフランツは年齢を超えた友情を深めていきます
しかし、時代は激動の時を迎えようとしていました
フランツの見る夢が意味するものは何なのでしょうか?
深層心理までは分かりませんでしたけど、夢の世界を再現している映像が美しく素晴らしかったです
ウィーンにやってきた当初は周囲から「坊や」と呼ばれていたフランツ
タバコ店店主がナチスに捕らえられおそらく処刑、ユダヤ人迫害を恐れたフロイト教授はイギリスへ去り、思いを寄せていたボヘミアの女性が生きるためにナチスの軍人にすり寄る姿を見て、不条理に苦しみながらも大人へと成長していくのでした
その後、彼は母の待つ故郷に戻るようです
美しいアルプスの山懐に抱かれた故郷で落ち着いた暮らしが出来れば良いのですが…
フロイト教授に関して多くは描かれていません
もっとブルーノ・ガンツを観たかったので少々残念でしたがフランツが霞んでしまっては映画そのものが成り立たなくなってしまいますものね
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/77/aa/0e199e0fdf1c701696f516d636e7f3e1.jpg)
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