訳・中嶋浩朗
新潮クレストブックス
2023年8月 発行
221頁
ジュンパ・ラヒリがイタリア語で書いた三作目の著書
イタリア滞在中暮らしているローマのアパートで、ラヒリは書斎の引き出しに前の住人が残していったノートを見つけます
そこに手書きされていた数十篇の詩を一冊の詩集として出版されたのがこの作品で、ノートの表紙に記された名前から、詩の作者は「ネリーナ」と呼ばれることになります
ラヒリは詩の作者ではなく、詩の書かれたノートの発見者にすぎない、という設定なのですが、読んでいくうちに、どこかおかしい、これはラヒリの自伝ではないか、と思えてきて、最後の『訳者あとがき』で、ネリーナも詩の評論と注釈をするマッジョ博士もラヒリが創り出した人物であることがわかり納得でした
堀江敏幸さんを思わせる雰囲気ですが、如何せん『詩』は苦手で、何とか最後まで読んではみたものの…でした
ラヒリの普通の小説が読みたかったです
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