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アンソロジー「銀」

2019年08月15日 | アンソロジー

ポプラ社百年文庫94
2011年9月 第1刷発行
131頁

 

堀田善衛「鶴のいた庭」
日本海を臨む富山、高岡
和船の時代、隆盛を極めたものの、その後の社会変化についていけず没落した生家の廻船問屋
94歳まで生きた曽祖父の晩年の生き様を描きます

 

小山いと子「石段」
旅先の佐渡で出会った野卑な振舞いをする父親と見栄えのする幼い姉弟
無神経な男に対し憎しみすら感じていた「私」は、旅の終りになって妻との復縁を願わんと不自由な足で必死に石段を上る父親と後を追う姉弟の姿に心からの好意を感じるのでした

 

川崎長太郎「兄の立場」
小田原で魚の行商をしている父親の後を継がず文士を志して東京へ出た長男
幼い頃から絵を描くのが得意だったのですが進学もせず、無理やり家業を継がされた形の弟への申し訳なさから、両親に学費は自分が面倒を見るから学校へ行かせてやってくれ、絵の勉強をさせてやってくれ、と頼みます
しかし、両親も弟も長男の言葉には耳を貸しません
逆に、両親は長男の夢見がちな性格や不安定な生活を心配するのでした

 

共通する舞台は海
銀波(月光などが映って銀色に輝く波)の残像のように蘇る記憶
海辺に暮らす家族の情が感じられる3編でした

 

 


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