原題 THE BOY WHO HARNESSED THE WIND
2018年 イギリス、マラウイ
【伏見ミリオン座】
今から20年ほど前の話
実話に基づくそうです
世界で最も貧しい国のひとつを言われるアフリカのマラウイ
2001年、大干ばつが14歳のウィリアム(マックスウェル・シンバ)の暮らす村を襲い村人は飢餓と貧困に苦しんでいました
学校に通い始めて間もなく、理科が得意で勉強熱心なウィリアムでしたが、学費を払えず退学になってしまいます
しかし、姉のアニー(リリー・バンダ)と交際中の理科教師の理解もありこっそり図書室で勉強を続けた彼は独学で風力発電のできる風車をつくり畑に水を引くことを思いつきます
けれど、いまだ雨乞いの祈りで雨を降らそうという父親(キウェテル・イジョフォー)を始めとする村人たちは彼の考えに耳を貸そうとしません
それでも家族や村人を助けたいというウィリアムの思いは徐々に周囲を動かし始めるのでした
まず、マラウイという国を知りませんでした
地図で調べたところアフリカ大陸南東部、ザンビア、モザンビーク、タンザニアに囲まれた南北に長い国です
映画の中で、「ここにいても死を待つだけだから北部に移ろう」というような台詞がありましたが納得です
本作で描かれた飢餓や貧困は、昔々の話ではなく、ある程度の改善はみられても現在も続く問題なのでしょうし、家族関係や圧政などは万国共通と思いました
母親(アイサ・マイガ)がアニーに「飢えたら私の腕を食べさせる」と言い放つシーンは親のあるべき姿を見せつけられたようで胸に迫るものがありました
父と息子・ウィリアムの関係はそれほど簡単にはいきませんでしたが、それでも…ね^^
大きな感動に包まれる、というほどではありませんでしたが清々しい思いで映画館を出ました
アフリカの雄大な自然映像と音楽が素敵♪
特にエンディングに流れた曲は馴染みやすいメロディラインで気に入りました
映画のラストに実際の主人公や家族の紹介があるのも良かったです。