訳・野崎孝
白水Uブックス
1984年5月 第1刷発行
2014年1月 第121刷発行
332頁
16歳のホールデン・コールフィールドが4つ目の学校を退学になった後、家に帰らず3日間にわたってニューヨークを放浪したときの話
ホールデンは世の中で善とされる道徳や公序良俗が大人の建て前や欺瞞に満ち溢れていると感じ、そのような世の中に対し強い嫌悪感を抱いています
自分の居場所を求めるように昔の友人、ガールフレンド、恩師に再会しますが、誰と会っても疲労感と孤独感に苛まれたままで、遂に心の救いを幼い妹・フィービーに求めます
高校1年の時に読んでいますが、確か主人公の心理が分り過ぎて辛かったかと…
およそ半世紀が過ぎ再読して良かったと思ったのはホールデンを客観的にみられたこと
矛盾だらけで好き勝手、周囲を振り回してばかりのホールデンの心を落ち着かせてくれるのが妹のフィービーだけというのは辛いですね
でも、少しずつ、彼にも変化が現れ、学校や社会に居場所を見つけられるようになるのではないかと思われるラストにほのかな明かりが見えます
いえ、もしかしたら何も変わらないのかもしれませんが…
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます