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ペール・ペッテルソン「馬を盗みに」

2013年05月03日 | 海外の作家

 

訳・西田英恵

白水社

2010年12月 発行

256頁

 

 

40以上の言語に翻訳された世界的ベストセラーなのだそうです

 

1948年、スウェーデン国境に近いノルウェーの小さな村で父親と過ごした15歳の夏

50年余り後、人里離れた湖畔の家で一人暮らす「わたし」の脳裏に姿を消した父との思い出がよみがえる

 

「僕」で語られる1948年の夏

「わたし」で語られる1999年の冬

15歳だった主人公と60歳を過ぎた現在の主人公

輝く夏と、人生の最後の時を過ごそうとする冬、二つの物語が交互に語られます

 

最初のうちは甘酸っぱい少年時代を懐かしく思い出す青春小説のようですが「馬を盗みに」という言葉のもう一つの意味が主人公に知れてから展開されるのは大人(特に父親)に対する疑惑や謎で、俄然面白くなってきます

そして謎は解明されます

しかし、その結末に読者は驚くという単純なストーリーではないところが、著者の心憎いところでしょうか

 

輝かしい夏の日のある「喪失」は、その後も付き纏い人生の冬を迎えた今になってますます主人公を翻弄しているのです

 

日本という国土では無理

ノルウェーの大自然、森、湖があってこその物語でした

 

 

 

 


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