日本経済新聞出版社
2017年10月 第1刷
507頁
1966年、
丙午の同じ日に生まれた留津とルツ
パラレルワールドに生きる二人の女性は、いたかもしれないもうひとりの「自分」、無数の分岐点で無数の選択をしてきた自分、選び、進み、後悔し、また選ぶ
その時、隣にいるのは誰でしょう
人生は、一度きりのとりかえしのつかないものだと、留津は思っていた
でも、そうではなかったのだ
いくらでも、人生はとりかえることができるのだ
現実にとりかえることができなかったとしても、想像の内でなら、いくらでも
終盤には「るつ」「流津」「琉都」「瑠通」「る津」まで登場します
確かに、自分もあの時の選択は正しかったのだろうか、思い出しては後悔することが度々あります
しかし、それも60歳半ばを過ぎた今では、留津の言葉に納得できてしまうのです
わたしは小説を読み、小説を書く
自分の体験でははかれないような誰かの人生を、文字の中で新しく生きてみる
自分には理解のできないことが、たくさんあるだろう
理解できないまま、違和感の残ったまま、読み終わり、書き終わることも多いだろう
その違和感をずっと記憶しておこう
ある日、突然、自分にもわかるかもしれない
よその誰かの人生のかけらの意味が
ボリュームのある作品ですが、サクサク読めました
きっと年齢が近いこともあって留津やルツの心情がよく理解できるからでしょう
自分の人生はどうだろう?
何を今さら、いえ、まだまだです
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